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サピックスでは、高い学力をつけると同時に、思いやりの心や視点を変えてものごとを見たり考えたりできる能力も身につけてほしいと思っています。この『さぴあ作文コンクール』も、子どもたちが将来、自分の能力を社会のために役立てられる人間になれることを心から願って、「思考力」と「記述力」を大きく伸ばしてもらいたいという指導方針の一環として実施しているものです。
サピックス小学部主催の『さぴあ作文コンクール』は、子どもたちに夏休みを利用して課題図書を読んでもらい、感じたことや考えたことを自由に書いてもらっています。子どもたちには本に親しんでもらうとともに、自分の感じたことや考えたことを、借り物ではない自分の言葉で表現できる力もぜひ身につけてほしいと考えています。
また、読書を通していろいろなものの見方や考え方に触れ、子どもたちに視野を広げてもらいたいという願いもあります。残念ながら現在の世界には、紛争、貧困、差別や偏見、環境破壊など、さまざまな問題があり、そのために苦しみ、傷ついている人々がたくさんいます。また日本国内にも、障害や難病などのため、普通に学校に通うことのできない子どもがいます。課題図書には、このような状況におかれていても希望を失わずに強く生きようとする子どもの姿などを描いた本をこれまで多く取り上げてきましたが、子どもたちはそれを自分自身の問題として受け止めて、自分だったらどう思うか、どう行動するか、自分に何かできることはあるかなど、考えを広げ、いろいろな切り口から自由に作文を書いてくれています。
読書を通してこうした問題に触れることは、今の自分の生活のあり方を見直すきっかけになり、また、そのような問題を少しでも解決していくために、自分には何ができるだろうかと考えることは、自分と社会とのかかわり方を考える第一歩になると、サピックスでは考えています。ふだん学んでいることを机上の知識だけで終わらせず、常に現実の社会で起きていることと結びつけて考えることができる生徒、他者の視点に立ってものごとを見たり考えたりできる生徒、それは子どもたちが目標とする多くの学校が求めている生徒像でもあるのです。
入賞者とそのご家族を招いて、秋に実施している表彰式典では、表彰状授与のほか、課題図書の作者や関係者の方による講演や写真展、映画上映など、さまざまなイベントも行っています。
作品の募集や入賞者の発表などは、サピックスの月刊進学情報誌『さぴあ』誌上でも行われ、課題図書の売り上げの一部は、本で取り上げられた問題に取り組んでいる団体などに寄付をさせていただいています。ぜひ、このようなコンクールの趣旨をご理解いただき、1人でも多くのお子さまに、奮って作品を寄せてもらいたいと願っています。

