さぴあ 作文コンクール

第27回さぴあ作文コンクール

課題図書

低学年向け課題図書:「ワニのガルド」
「ひかる石のおはなし」

寂しい人にだけ見える
ワニのお化けの正体は…?

低学年向けの課題図書は『ワニのガルド』です。主人公のヒナちゃんは、小学校3年生の女の子。転校してきたばかりで、まだ学校に友だちがいません。

「学校に、いきたくないな」
と思っているヒナちゃんの前に、突然、人間のことばを話すワニが現れました。ワニは、学校でもヒナちゃんに付きまとい、授業中も話しかけてきます。ヒナちゃんは戸惑いますが、ワニはほかの人には見えないので、誰にも助けてもらえません。

ワニは自分のことを「ガルド」と名乗り、友だちがいない寂しい人にだけ見えるお化けだと言いました。

ヒナちゃんとガルドは仲良くなり、一緒に遊ぶようになります。そんななか、ガルドがいることに気づいている様子のクラスメートがいました。女の子グループの中心にいるアヤカちゃんです。アヤカちゃんは、モデルの仕事をしていて、クラスでも人気者です。それなのになぜ…?

翌朝、アヤカちゃんは、ヒナちゃんと学校に来たガルドを見つけて「ここにワニがいる!」と騒ぎ立てます。でも、ほかのみんなにはガルドが見えません。それがきっかけで、人気者のはずのアヤカちゃんは笑い者にされます。

ガルドが見えるアヤカちゃんは、「寂しい人」なのでしょうか。ガルドはなぜ、寂しい人だけに見えるお化けになったのでしょうか。ヒナちゃん、アヤカちゃん、ガルドが話すうちに、それぞれの事情がわかってきます。ヒナちゃんとアヤカちゃんは仲良くなれるのでしょうか。そしてクラスメートとの関係は、どうなるのでしょうか。

おーなり由子=作・絵
偕成社=発行
定価=1,430円(税込)
高学年向け課題図書:「海よ光れ!3・11被災者を励ました学校新聞
「バトン」

東日本大震災の避難所となった小学校で
子どもたちが力を合わせて奮闘

高学年向けの課題図書はノンフィクションの『海よ光れ! 3・11被災者を励ました学校新聞』です。舞台となった岩手県山田町大沢地区は、漁業の盛んな集落。子どもたちは毎日浜辺で遊び、地域の人たちに見守られながら育ちます。この地区の小学校には、二つの宝がありました。一つは、全校表現劇「海よ光れ」です。海の恵みと、明治と昭和に町を襲った津波の恐ろしさ、そこからの復興を表現する、地元の人たちにとっても大切な劇です。

もう一つの宝が、学校新聞です。劇にちなんで「海よ光れ」と名づけられた新聞は、例年さまざまな新聞コンクールで優秀な成績を収めていました。2011年3月5日には、新聞コンクールの授賞式が東京で開催され、児童会執行部のメンバーも参加しました。

そのわずか6日後、町は東日本大震災による激しい揺れと大津波に見舞われました。学校は高台にあったので子どもたちは全員無事でしたが、目の前で町が津波にのみ込まれていきました。多くの人が学校に避難してきて、子どもたち、先生方、地域の人が力を合わせて避難生活を送ることになったのです。全国からは支援物資や励ましの手紙が数多く届きました。

避難生活が続くなか、地域の人、ボランティアなど、支えてくれる人たちに、自分たちで何かできないか…。そう考えた子どもたちは、学校新聞「海よ光れ」で、自分たちのがんばりや、感謝の気持ちを多くの人たちに伝えられたらと考えるようになります。守られているばかりではない、子どもたちのさまざまな取り組みが始まります。

田沢五月=文
国土社=発行
定価=1,540円(税込)

応募要項

今年度の受付は終了いたしました。たくさんのご応募、ありがとうございます。

審査員

サピックス小学部国語科、さぴあ編集部ほか

結果発表

「さぴあ」11月号(予定)誌上および、当ホームページ、校舎掲示ポスター、優秀作品集等にて掲載いたします。なお、受賞者全員の氏名ならびに優秀作品を掲載いたしますので、あらかじめご了承ください。

賞と賞品

(各作品ごとに)大賞1名、優秀賞3名、さぴあ賞11名
受賞者には賞状および賞品・記念品をご用意しています。また、応募者全員に参加賞を贈呈いたします。

表彰式

2023年11月12日(日)開催予定

保護者の皆さまへ

27回目を迎えた「さぴあ作文コンクール」

「感じてほしい、考えてほしい」をテーマに開催してきました「さぴあ作文コンクール」も、今回で27回目を迎えることができました。これもひとえに皆さまにご理解・ご協力いただいたおかげと心より感謝しております。

このコンクールは子どもたちに読書を通じて、 いろいろなものの見方や考え方に触れ、自分の世界を広げてもらうとともに、感じたことや考えたことを自分のことばで表現する楽しさも味わってもらうことを狙いとして実施しております。また、現実の社会にはさまざまな問題があり、そのなかで苦しんだり傷ついたりしている人たちがいることにも目を向けてほしいという願いもあります。

第1回の課題図書『地雷ではなく花をください』では、対人地雷の問題について考えてもらいました。それ以来、「さぴあ作文コンクール」の課題図書には、紛争や貧困のなかでも、また障害や難病を抱えながらも希望を失わずに強く生きようとする子どもたちの姿を描いた本などを選んでいますが、子どもたちは本の内容や関連する事柄について、自分なりに精いっぱい考えたうえで、いろいろな切り口から自由に作文を書いてくれています。おかげさまで、現在では毎年恒例のイベントとなり、応募作品もたくさん寄せられています。寄せられる作文は、子どもたち一人ひとりが真剣にテーマと向き合い、一生懸命に自分の考えをまとめてくれたことがよく伝わってくる作品ばかりで、審査員一同、驚きとうれしさを覚えつつ読ませていただいています。

今回、27回目の開催をするに当たり、一人でも多くのお子さまに作品を応募していただけるよう、お願い申し上げます。

この「作文コンクール」がお子さまにとって、社会に目を向け、社会とどうかかわっていくのかを考える良いきっかけとなれば幸いです。

SAPIX小学部

さぴあ作文コンクールのあゆみ

「さぴあ作文コンクール」は、今回で27回目を迎えました。これまでの課題図書をご紹介いたします。

これまでの課題図書

第1回 「地雷ではなく花をください」 柳瀬房子=文
葉祥明=絵
第2回

「トットちゃんとトットちゃんたち」

黒柳徹子=著
第3回

「五体不満足」

乙武洋匡=著
第4回

「盲導犬のんのんのかたみ」

志茂田景樹=作
第5回

「いのちのあさがおコウスケくんのおくりもの

綾野まさる=作
松本恭子=画
第6回

「こぞうのパウのものがたり」全3巻

木村裕一=作
あべ弘士=絵
第7回

「電池が切れるまで子ども病院からのメッセージ

すずらんの会=編
第8回

「わたしの体ぜんぶだいすき」「これがぼくらの五体満足」

先天性四肢障害児父母の会=編著
第9回

「山古志村のマリと三匹の子犬」

桑原眞二・大野一興=著
ikko=絵

「震度7新潟県中越地震を忘れない

松岡達英=文・絵
第10回

「子ぎつねヘレンがのこしたもの」

竹田津実=著
第11回

「たからものはランドセルいっしょにすごした12年

野里寿子=作
第12回

現代の偉人伝 誠と勇気伏してぞ止まん ぼく、宮本警部です」

山口秀範=文
竹中俊裕=絵
第13回

「としょかんライオン」

ミシェル・ヌードセン=作
ケビン・ホークス=絵
福本友美子=訳

「声をなくした紙しばい屋さん」

関朝之=作
吉川聡子=絵
第14回

「ピンクのチビチョーク」

新藤悦子=作
西巻 茅子=絵

「命の教室動物管理センターからのメッセージ

池田まき子=著
第15回

「はじめてのゆうき」

そうまこうへい=作
タムラフキコ=絵

「氷の海を追ってきたクロ」

井上こみち=文 
ミヤハラヨウコ=絵
第16回

「おまじないのてがみ」

赤羽じゅんこ=作
石井勉=絵

「クッキーとコースケ―犬と走る日―

さとうまきこ=作
牧野鈴子=絵
第17回

「かいじゅうの さがしもの」

富安陽子=作
あおきひろえ=絵

「夜明けの落語」

みうらかれん=作
大島妙子=絵

「命のバトン津波を生きぬいた奇跡の牛の物語

堀米薫=文
第18回

「くつかくしたの、だあれ?」

山本悦子=作
大島妙子=絵

「きみの町で」

重松清=著
ミロコマチコ=絵
第19回

「絵本 いのちをいただくみいちゃんがお肉になる日

坂本義喜=原案
内田美智子=作
魚戸おさむとゆかいななかまたち=絵

「コケシちゃん」

佐藤まどか=作
木村いこ=絵
第20回

「勇気の花がひらくとき やなせたかしとアンパンマンの物語

梯久美子=文

「テオの「ありがとう」ノート」

クロディーヌ・ル・グイック=プリエト=著
坂田雪子=訳
第21回

「私が今日も、泳ぐ理由パラスイマー 一ノ瀬メイ

金治直美=文

「あかりさん、どこへ行くの?」

近藤尚子=作
江頭路子=絵

「レシピにたくした料理人の夢-難病で火を使えない少年-

百瀬しのぶ=文
第22回

「ともだちのときちゃん」

岩瀬成子=作
植田真=絵

「まっすぐな地平線」

森島いずみ=著
はぎのたえこ=絵
第23回

「どこどこ山はどこにある」

おおぎやなぎちか=作
松田奈那子=絵

「いいたいことがあります!」

魚住直子=作
西村ツチカ=絵
第24回

「しあわせなハリネズミ」

藤野恵美=作
小沢さかえ=絵

「夏に降る雪」

あんずゆき=作
佐藤真紀子=絵
第25回

「ココロ屋 つむぎのなやみ」

梨屋アリエ=作
菅野由貴子=絵

「星明かり」

熊谷千世子=作
宮尾和孝=絵
第26回

「ひかる石のおはなし」

小手鞠るい=作
酒井以=絵

「バトン」

中川なをみ=作
大野八生=画
第27回

「ワニのガルド」

おーなり由子=作・絵

「海よ光れ!3・11被災者を励ました学校新聞

田沢五月=文

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