中学校長インタビュー

2008年10月 武蔵高等学校・中学校 校長  山崎元男 先生

世界を見据えた「三理想」の精神が生徒にも教員にも浸透

神田
最初に学園の沿革と、先生がこの学園にかかわってこられた経緯についてお話しいただきたいと思います。
山崎
本校は1922年、旧制7年制高等学校として創立されました。当時は、5年制の旧制中学を卒業すると、3年制の旧制高等学校に進みましたが、1918年公布の高等学校令で、高等学校の修業年限を尋常科4年、高等科3年の計7年とすることが定められたのを受け、日本で最初に7年制高等学校として発足したのが本校です。戦後、学制改革によって旧制高等学校の制度がなくなり、そのほとんどが大学に衣替えしましたが、武蔵だけは旧制高等学校を新制の高等学校に衣替えしました。それが1948年のことで、翌年に中学校と大学ができました。いまの武蔵の校風であるアカデミズムは、そうした歴史と密接につながっています。
わたし自身は大学院の修士課程を終えてから、国語科の教師としてこちらにまいりました。それから31年がたちますが、その間最も印象深かったのは、1994年にイートンカレッジに派遣されたことです。本校では1990年から10年間、計5人の教師をイートンに送っています。うち4人は英語科で、わたしだけが国語科でしたので、畑違いの分野に挑戦してみようという気持ちでした。
神田
武蔵では言語をとても大切になさっていますね。日本人としてのアイデンティティを持ちながら、言語を大切にして異文化と交流し、異文化のなかで学んでいこうという姿勢は、教育方針である「三理想」の精神からもうかがうことができます。
山崎
「三理想」は創立時から重視されている武蔵の教育の土台で、「東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物(世界のさまざまな文化を理解し融合をめざす人物)」「世界に雄飛するにたえる人物(世界的な舞台で活躍する人物)」「自ら調べ自ら考える力ある人物」の三つを理想とするものです。生徒対象の国外研修制度にしても、教員の海外派遣にしても、この「三理想」の精神がベースになっています。わたしが新人で入ったときは、先輩から「ともかくきみが勉強しなさい」とずいぶん言われました。自分が勉強しておもしろいと思ったことを伝えれば、生徒にストレートに伝わるというわけです。貴重なイートンでの経験も、特別授業などの時間に生徒たちに話しています。特別授業というのは、1学期の期末試験後に、教科の枠にとらわれず行われる特別編成の授業です。生徒も毎年2人ずつイートンに行っており、特別授業期間中に報告会が行われています。

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