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「ピグマキッズくらぶ」 なんでも質問箱

−No.7− さぴあ2000年10月号に掲載

図形や立体に対する感覚を磨くためには?
 ピグマシリーズの算数では、図形や立体を扱った問題が非常に多く、しかも何度もくり返し取り上げられています。やはり低学年のうちに、図形感覚を磨いておくことは非常に重要なのでしょうか。また、そのためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。


実際に図形を操作する体験をなるべく多くして、慣れることが大切。
積み木、折り紙などの遊びも取り入れて。

 中学入試の算数では、図形問題はかなり高い比重を占めています。しかし、図形問題を苦手とする受験生は少なくありません。平面図形の問題なら何とか対応できても、立体的な思考が求められる問題になると、とたんに自信をなくしてしまうという受験生もいます。図形問題に対する慣れが、かなりの程度合否を左右するといっても過言ではないほどです。
 その点、低学年のうちから、さまざまな機会を通して図形感覚を磨く訓練を多く積んでいれば、高学年での本格的な図形の学習にスムーズに入っていけるでしょう。逆にそのような訓練ができていなければ、図形問題を敬遠するようになり、やがては大の苦手とするようになってしまいます。そこで、ピグマシリーズの算数では、図形感覚を養うことを特に重視し、そのような問題を多く取り入れています。
 サピックスでは、低学年のうちからより多くの知識を詰め込もうとするのは効果的ではないと考えています。そこでピグマでは、知識はそれほど必要としない代わり、一定のルールに従って粘り強く考えなければならない問題をたくさん用意しています。「低学年のうちに何をやっておけば、それが高学年になって活きてくるか」ということを常に考えながら学習内容を精選しているのです。
 低学年のうちから高度な内容を先取り学習しても、結局は解法を丸暗記して、それを機械的に書いていくだけで、学習が単なる作業になってしまう恐れがあります。このような学習を低学年でいくら積んでも、後々役には立たないでしょう。そうではなくて、低学年の時期には、もっと柔軟に頭を働かせる学習をしていただきたいのです。そのためには、図形は最高の素材の1つなのです。

立体図形に関する問題の場合、3次元の立体をそのまま問題用紙に表現することはできませんから、立体は見取り図や展開図として表現されます。しかし、2次元の紙の上にかかれた図を立体として見るには、かなりの訓練が必要です。そのような訓練は、低学年の時期にこそ積んでおかなければなりません。知識を身につけることは高学年になってからでもできますが、慣れというものは一朝一夕では身につかないものだからです。
 平面にかかれた立体を、頭の中で立体として想像することは、大人にとっても難しいものです。ピグマでは、例えば「いろいろな色や形をした積み木をいくつか積み重ねて作った立体について、どの方向から見ると、どのような形に見え、どのような色の並びになっているか」というような問題を何度もくり返し出題して、徐々に慣れていけるように配慮しています。  特に、さいころを使った問題は、ピグマでも多く取り上げています。さいころの形である立方体は、立体図形の基本であるだけに、中学入試での出題も非常に多いのです。
 さいころの向かい合った面の目の数を合計すると7になることを利用する問題はよく見られるものですが、ピグマではさらに発展させて、立方体を転がした時に、各面にかかれたイラストの向きがどうなるか考える問題、実際に展開図を組み立てて立体にした時、展開図の辺や面同士がどうつながるのかを考える問題なども出題しています。ですから、単にどの面とどの面が向かい合うかだけでなく、面の向きまでも考慮して図形をとらえていくことができます。

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 本番の入試でさいころを組み立てて解くことはできませんが、やはり、実物を操作した体験があってこそ、頭の中ですばやく立体図形を組み立てて考えることができるのです。ですから、テキストを解く時には、付録として添付されたさいころや立方体のカラー積み木などを手にして、実際にいろいろ試してみましょう。同じ立体でも、見る角度が変わると、見取り図も変わりますから、1つの立体をなるべくいろいろな方向から見るようにして、見え方がどのように変わるかを感覚としてつかむことが大切です。お子様には「いろいろな立体について、方向によって見え方がどうちがうのか」「頭の中で想像した見え方と実際とはどうちがっていたか」など、どんどん体験させてあげていただきたいと思います。
 図形感覚は、テキストに向かっての学習だけでなく、ふだんの生活や遊びを通して身につけていくべきものと言えます。立体思考が養われる遊びの1つに積み木があります。テキストには、積み木を積んで、隠れて見えないものも含めて何個あるか数える問題もあります。立方体を積み上げた見取り図では、見る方向によって見えない積み木も出てきます。しかし、図では隠れて見えない位置に、実際には積み木があるはずだと思えるようになるには、実際に積み上げた経験が必要です。決まった形の物を積み上げて数えることは、実生活でもよくあるはずです。

 折り紙も立体思考を鍛えるのに非常に役立ちます。手先を器用にすることにもなり、低学年のお子様にはぜひお勧めしたい遊びです。1枚の紙を半分に折って、さらにもう1回半分に折ったような場合、どの部分とどの部分が重なるのかを問うような問題は、テキストでも取り上げていますから、直感的につかめるようにしておきたいものです。
 さらに発展して、折るだけでなく、折った状態のまま紙を切って、それを広げた図形を考える問題もありますが、実際このような問題は、中学入試でもよく出題されています。これも、実際に作業をした経験があるかないかによって、正解を出せるかどうかが大きく左右されます。
 図形を題材にした問題はパズル的な要素が強いので、その場で考えて解くしかありません。教えられた解き方を機械的に当てはめるだけでは対応できず、どれだけ自分の頭で考える学習をしてきたかが問われるのです。最近の中学入試でそのような問題が目立つということは、多くの学校が、自分の頭でものを考えられる生徒を求めているということの表れです。まさにこのような力こそ、サピックスが育てたいと考えているものなのです。


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