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「ピグマキッズくらぶ」 なんでも質問箱

−No.40− さぴあ2002年6月号

算数の文章題でミスをしないためには?
 子どもは単純な計算問題はすらすらできるのですが、ピグマシリーズで学習するような文章題には手応えを感じているようです。問題をよく読まずに思い込みで解き始めるためか、問題の意味をとりちがえてしまうことが多く、しかも計算ミスもよくあるため、正解までたどりつけないことも少なくありません。どうしたらミスを減らすことができるでしょうか。


問題文をしっかり読む、見直しをする、必ず式を書く、検算をするなど、基本的な学習への取り組み方を確立しましょう。

 算数の場合、計算問題は得意でも、文章題は苦手というお子様が多くいます。これは文章題は、答えを出すまでにいくつかのステップがあるからです。単に計算をすればよいわけではなく、まず問題文をよく読んで条件を整理し、数量の関係を把握した上で、どの演算を使って解けばよいのかを自分で判断しなければなりません。この過程がスムーズにできないと、文章題に苦手意識を持つことになってしまいます。ポイントは、場面をイメージできるかどうかということです。その点、絵や図をかきながら考えると、頭の中が整理されて理解の助けになります。また、与えられた問題を解くだけでなく、時には自分で問題を作ってみるようにすると、視点が変わり、数量の関係を把握しやすくなるのではないでしょうか。
 文章題を得意にするには、算数の問題独特の言い回しに慣れることも大切です。たとえば4年生では、問題文には「ぜんぶで」「あわせて」「のこりは」「はじめに」というような言葉がよく出てきますが、これらは問題文に出てくる数量の関係を把握する上でカギとなる言葉です。このような言葉には印をつけたり、線を引いたりしながら問題文を読むことも、問題の意図をとりちがえないようにする1つの有効な方法です。
 また、問題を解く前には、そもそも何を答えればよいのかをしっかりおさえておく必要があります。これも問題文の中で、何を答えるのか述べている部分を線で囲むようにするなど、何か約束ごとを決めておくとよいでしょう。特に、条件に当てはまるものを選ぶのか、それとも当てはまらないものを選ぶのかをまちがえるお子様が多いので注意が必要です。単位をつけて答えなければならない問題も要注意です。単位をそろえてから計算しなければならないのはもちろんですが、出た答えをまた換算しなければならない場合もあります。したがって、どの単位で答えるのかを必ず確認するようにさせてください。
 そして、問題を一通り解き終わったら、必ず見直しをするようご指導ください。見直しは計算ミスをしていないかどうかをチェックするだけでは不十分です。計算ミス以前の問題として、求めるべきものを取りちがえている場合が意外に多いからです。したがって、問題文から読み直してみる必要があります。見直しをする意味は、自分は問題文の意味を正しくつかんで解いていたのかをもう1度確認することにあるのです。
 まだ1・2年生のうちは、出てくる問題もそれほど複雑なものではありませんので、テキストに載っているイラストだけを見て何となくわかったような気になり、問題文を読まずにいきなり解き始めてしまうお子様もいるようです。しかし学年が上がるにつれて、問題の内容も複雑になっていきます。ピグマシリーズでも4年生になると、非常に高度な概念の学習の入り口にあたるような内容も出てきます。また最近の中学入試では、かなり複雑な条件が示され、それを正確に理解した上で解いていかなければならない問題が多く見られます。つまり算数の学力以前に、条件を整理して正しく把握する力が求められているということです。したがって、問題文を正確に読み取る練習をしておくことはぜひとも必要です。
 中には、解き方が思い浮かばないと、問題文に出てくる数字を、ただやみくもにたしたりひいたりするお子様もいます。しかし、例えば「長さ」と「重さ」のように、ものごとのちがった性質を表す数値をたしたりひいたりすることは無意味です。いくら算数ではいろいろな解き方があるといっても、それでは正解にたどりつくことはできません。算数の問題は、一つ一つの計算の意味をよく考えながら、きちんと手順を踏んで解いていくことが大切です。頭の中だけで計算して答えを出すのではなく、必ず式を書くようにしましょう。式は考え方の筋道を示すものですから、肝心なところを省略すると、あとで見直した時、どのような考え方でその答えに至ったのかがわからなくなってしまいます。まちがえてしまった時に考え方の筋道をたどって、どこでまちがえたのかを検証することもできません。たとえ、暗算でできるような簡単な計算であっても、面倒くさがらずにきちんと式を書く習慣をつけておくと、より複雑な問題を解くようになった時に役立ちます。
 また筆算も、最終的な答えが出た後はすぐに消してしまうお子様がいますが、これも望ましいことではありませんので、なるべく消さないようにご指導ください。たとえ途中で計算をまちがえてしまった場合でも、自分がどこでまちがえたのかという記録を残すようにすると、自分がまちがえやすいところがわかるようになります。そうすることによって、同じまちがいをくり返さないようになるのです。
 このように算数という科目では、最終的な答えはもちろん大切ですが、そこに至るまでの過程も非常に重視されます。自分がどのように考えて、その答えに至ったかという過程を、他人にもきちんと説明できるようにならなければなりません。最終的な答えに至るまでにはいろいろな考え方がありますが、それが算数の醍醐味でもあります。最終的な答えさえ合っていればよいというような考え方では、算数の本当の楽しさはわかりませんし、学力も伸びないということが言えます。
 問題の意図は正しく理解できても、計算ミスが多くてなかなか正解を出せないというお子様もいるでしょう。計算力をつけるには、地道な反復練習が欠かせません。1日の生活の中には、10分、15分といった細切れの時間が必ずあるはずですから、そのような時間を利用して、毎日少しずつ取り組むことをお勧めします。
 計算した結果に自信がない場合は、検算をしてみることで、まちがいをかなり防ぐことができます。ひき算の検算にはたし算、わり算の検算にはかけ算というように、逆の演算をしてみるのです。特に連続してくり下がりのあるひき算などは、必ず検算をしてみましょう。出た答えにひく数をたしてみて、ひかれる数になれば合っているとわかります。
 また、大きな数どうしの計算の場合は、あらかじめ答えがどのくらいになるか見当をつけてから取りかかると、それと大きくかけ離れた答えが出た時に、すぐにまちがっているとわかります。例えば、685+712の場合、どちらも700に近い数なので、その和は1400に近い数になるとわかります。かけ算やわり算では、計算の途中で位をまちがえると、正解とは、けた数のまったくちがう答えが出ることがありますが、これも慣れれば、計算ミスをしているかどうか感覚的にわかるようになるものです。
 数字はできるだけ、速く正しく書くよう心がけることも大切です。お子様は「0」と「6」、「1」と「7」、「2」と「3」などをきちんと区別できるように書いているでしょうか。また筆算の時、きちんと位をそろえて書いているでしょうか。このような点はお母様方がチェックしてあげてください。読みにくいまぎらわしい数字を書いていると、自分で書いた数字を後で読みまちがえてしまいます。それも計算ミスをしてしまう大きな原因の1つです。
 以上述べてきたようなことは、学年が上がり、学習内容が高度になっても変わらない、算数の学習に取り組む上での基本と言えます。計算ミスを完全になくすことはできないかもしれませんが、たとえミスをしてしまっても、それにすぐに気づくことができることも、算数の力の一部なのです。
 このように、たとえある問題の解き方がわかっていたとしても、問題の読みまちがいをしない、計算ミスをしないなど、正解に至るまでにはいくつものハードルがあります。単に解き方を知っているということと、いつでも確実に正解を出せるということとはまったくちがいます。そのことはしっかり認識しておく必要があります。だからお子様がケアレスミスをせずに、自分だけの力で正解を出せた時には、大いにほめてあげてください。大きくマルをつけてあげる、シールを貼ってあげるなどして、お子様に達成感を持たせるようにしましょう。

 

 

 

(−No.40− さぴあ2002年6月号掲載)