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かけ算九九は国語でいえば、文を組み立てるための材料になる語いや、その語いを表記する漢字に相当するものだといえるでしょう。いくら思考力重視といっても、その思考力を発揮するためには、考えるための最低限の道具の使い方を覚えていることが前提となります。
九九を自由自在に使いこなせなければ、計算が速く正確にできず、問題を解いていても、なかなか次の段階の思考に進めなくなってしまいます。算数の問題を解くうえで、基礎になるのは計算力です。子どもが算数に苦手意識を持つようになってしまう大きな原因の1つは、かけ算九九が十分定着していないことにあると言われているほどです。
どんな科目でも学習を進めていく間には、覚えるべき時にしっかり覚えてしまわなければならない学習項目が出てきます。かけ算九九もその1つです。それを乗り越えて、九九を自在に使いこなせるようになった時、もっとおもしろい問題に取り組むことができるようになるのです。ですから暗記することが苦手なお子様であっても、その機会にしっかり覚えるようにしましょう。
ピグマでは、2年生の9・10月号で各段の九九を扱います。それぞれの段について、たとえば8の段であれば、タコが1ぴきならあしの数は8×1=8より8本、2ひきなら8×2=16より16本…というようにイラストをつけて、かけ算の意味をイメージしやすいように工夫しています。また、それぞれの段の九九について、表面に式を、裏面に答えを書いたカードを付録として添付しています。「にいちがに、ににんがし、にさんがろく…」というように必ず声に出して唱えながら、しっかり覚えてしまいましょう。カードを見なくても唱えられるようになったら、1枚ずつ切り離したカードをかき混ぜてその中から1枚を取り出し、その式を見て答えが言えるように練習しましょう。それもできるようになったら、今度は答えの面を見て、式が言えるように練習してください。
しかし、九九を暗記してそれで終わりではないというところに、思考力を重視するピグマならではの特徴があります。かけ算九九の答えの表を見ていると、いろいろおもしろいことに気づくはずです。5×5や9×9のような同じ数同士をかけるかけ算を除いては、必ず同じ答えになるかけ算の組があることもその1つです。そしてその同じ答えは、表の中で、1×1の答えと9×9の答えを結ぶ線に対して対称の位置にあります。このように答えの並び方に規則性があるのは、かけ算ではかけられる数とかける数を入れ替えても答えは同じになるという「交換法則」が成り立っているからです。また、かける数が同じ2の段の答えと3の段の答えをたすと5の段の答えになる、2の段と3の段に共通して出てくる答えは6の段の答えにもなっている、などの特徴もあります。
ピグマでは、各段のかけ算九九を一通り学んだ後の2年11月号で、このような表の規則性に気づかせ、それを通して数の性質を考えさせようとしています。まず2・3ページの「九九表1」では、かけ算九九の表の対称性に気づかせるようになっています。また、4・5ページの「いくつあるかな?」では、3×5と5×3の意味の違いを考えます。かけ算の意味を理解することは、文章題を解くうえでも大切です。3×5と5×3は、答えは同じですが、意味はまったく違います。3×5は3が5つあることを、5×3は5が3つあることを表します。文章題で式を立てる時、どちらでもよいわけではありません。さらに、10・11ページの「まとめて計算しよう」では、2×3+2×2=2×5になること(分配法則)を学びます。
この法則を応用して、工夫すれば暗算でできるようになる計算もあります。たとえば17×8は、そのままでは暗算できませんが、かけられる数17を10と7に分けて、10×8+7×8と考えれば、暗算できます。このように、頭の中で数を操作して、工夫しながら計算しようとすることで、数に対する感覚が磨かれるだけでなく、計算ミスを減らすこともできます。近年、IT大国としても注目されるインドでは、日本のように9×9までではなく、20×20までのかけ算の答えを覚えさせるともいわれています。お子様にそこまでさせる必要はありませんが、11×11=121、12×12=144、15×15=225などの平方数は答えを覚えておいた方が、今後何かと便利になります。
このように、かけ算九九に習熟することの効果は、単に計算が速く正確にできるようになるというだけにとどまりません。計算のしくみに関する理解が深まり、思考力を高めることにもつながります。ぜひとも数を見て、その数が答えになる九九の式が思い浮かぶようになるまで練習していきましょう。
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