サピックス特別インタビュー

算数入試で問う力、
数学力を伸ばす授業~学習院女子中編~

2026.05.21

学習院女子中・高等科では、「進度より深度」を尊重した学びで「その時代にふさわしい知性と品性を身につけた人物」の育成をめざしています。その具体的な教育内容について、数学科の大島照子先生、飯島彰子先生、堀江克人先生、小川直也先生に伺いました。

(左から)数学科 堀江 克人先生 小川 直也先生 インタビュアー SAPIX小学部
教育情報センター本部長 広野 雅明 氏
飯島 彰子先生 大島 照子先生

広野 御校の数学の授業の1週間あたりの時間数とカリキュラムの特徴について教えてください。

小川 中1では、代数と幾何を週2コマずつ学び、中2・3では、代数が1コマ増えて週に3コマ、幾何は変わらず2コマとなります。本校では、積極的な先取り授業は行っていません。「進度より深度」をモットーに、一歩一歩、着実に学びを進めることを意識しています。

広野 貴校には、初等科から進学する生徒、中学受験の一般入試を経て入学する生徒、帰国生入試を利用する生徒と、さまざまな生徒が集まっています。入学時の学力が不ぞろいななか、指導において工夫している点はありますか。

大島 生徒のつまずきを防ぐため、中1の代数は、クラスを半分に分けた少人数制の授業を行っています。少人数授業のメリットは、教員の目が行き届きやすいこと、そして、生徒間のコミュニケーションが活性化されることです。教員に聞きづらいことも友人になら気軽に質問できますし、質問を受けた生徒も、他人に教えることによって理解が定着します。教員によるきめ細かい指導と、実践を重視したグループワークなどでの学び合いから、生徒の成長を促しています。

広野 授業のほかに特色ある取り組みがあれば教えてください。

飯島 一昨年の夏休みは、ドリルやワークに加えて、①「算額をつくろうコンクール」に自作の和算問題を応募する、②数学的な活動を行い、レポートを書く、③数学に関連する本を読み、感想文と紹介文を書く、の自由課題のなかから自分のやりたいものを選んでもらいました。その結果、翌年の「算額をつくろうコンクール」では銅賞を受賞しました。教科としての数学は苦手でも、おもしろい問題を考える、読み手を引きつける文章を書くという場面では優れた力を発揮する生徒が少なくありません。生徒たちには、このような自由課題をきっかけに、通常授業とは違う角度から数学のおもしろさに触れてほしいと思っています。

広野 数学が苦手なお子様へのフォローなど正規の授業以外ではどのような取り組みをなされていますか。

堀江 各学年の成績不振者を対象とした補習を夏休みに開催しているほか、定期試験の直前には、教員が常駐する質問教室も開放しています。また、高等科生向けには、数学科が一丸となって学年の枠を取りはらった勉強会を実施するなど、幅広い学習支援を行っています。

広野 次に中学入試についてお伺いします。貴校の入試問題は、答えだけではなく途中式の記入も求められます。その意図をお聞かせいただけますか。

小川 受験生に途中式を書いてもらうのは、あくまで加点のためです。考え方は合っているのに、途中で計算ミスがあったばっかりに不正解とみなすのは、受験生の努力を正しく評価したとはいえません。また、本校では、日ごろの授業でも定期テストでも、自分の考えを的確に伝える表現力を重視しています。入試で途中式を書かせるのは、「中学の授業でも記述力が必要になるよ」「しっかり書けるようになってね」という学校からのメッセージでもあるのです。

広野 最後に、受験生に向けてアドバイスをお願いします。

飯島 入試問題を解くにあたっては、全体を見渡し、俯瞰でとらえることが重要です。そのうえでやるべきことを整理し、落ち着いて取り組むことを意識してほしいです。

大島 難題に直面してもあきらめず、粘り強く考えられる受験生をお待ちしています。

堀江 好奇心旺盛であってほしいですね。それに応えられるよう、わたしたちもわくわくできるような題材を用意したいと思っています。

小川 問題を解くことや、自分の考えを表現することを楽しんでください。それができる受験生であれば、入学後もきっと本校の授業を気に入ってくれるはずです。

入試問題にチャレンジ2026年度 学習院

School
Data

所在地
〒162-8656 新宿区戸山3-20-1
TEL
03-3203-1901
学校長
長沼 容子
創立
1885年に華族女学校として開校され、1946年に現在の所在地に移転。翌年、宮内庁の所管を離れ私学化。
URL
www.gakushuin.ac.jp/girl
校舎写真

おおらかに伸び伸びと。恵まれた環境で高い知性と品性を養う

華族女学校として創立されて以来、一貫して「その時代に生きるにふさわしい知性と品性を身につけた女性」の育成をめざしています。モットーは「正直と思いやり」。多彩な行事や部活動などを通して、生徒は仲間とも教員とも深く触れ合い、自分を大切にする心や、他人を思いやる心を養います。伝統的に明るくおおらかな校風で、赤れんがの校舎が立ち並ぶキャンパスには、四季折々の花も咲き誇ります。生徒は伸び伸びと6年間を過ごし、卒業後は6割程度が学習院大学に進みますが、難関私立大学を中心に、他大学への進学実績も優れています。 (2026年5月現在)