サピックス特別インタビュー

算数入試で問う力、
数学力を伸ばす授業~栄東中編~

2026.09.14

校訓に「今日学べ」を掲げる栄東中学校・高等学校では、生徒の個性と応用力を伸ばす観点から、アクティブ・ラーニングに力を入れています。学び合いを重視した授業と入試の特色について、数学科の生野隆先生、岡野太知先生、佐々木真先生に伺いました。

(右から) 数学科 岡野 太知先生 佐々木 真先生 生野 隆先生 インタビュアー SAPIX小学部 教育情報センター 本部長 広野 雅明 氏

広野 まず、数学の授業数について教えてください。

生野 中学では週に6時間設けています。中1は代数を4時間、幾何を2時間、中2は代数を3時間、幾何を3時間学び、中3からは、高校内容である数IAに入ります。

広野 貴校では、以前からアクティブ・ラーニングに力を入れています。そのメソッドは数学にも導入されているのですか。

岡野 はい。2~3人の小グループを作って、それぞれの解答を見比べたり、解法を話し合ったりする時間を設けています。生徒同士で学び合うことで、教える側は理解がさらに深まりますし、教わる側は知識が定着しやすいというメリットがあります。生徒たちはこのような双方向的な学びを通して、学習のモチベーションを高めています。

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広野 中学段階から「東大クラス」と「難関大クラス」に分けて指導されていますね。その二つのクラスは授業内容も異なるのですか。

生野 中学では、どちらも同じカリキュラムと進度で授業を行っています。東大クラスにおいては、アクティブ・ラーニングを中心とした発展的学習に触れる機会が多いため、より深い知識の定着をめざした指導を心がけています。高校では、いずれのクラスにも習熟度別授業を導入し、生徒同士で切磋琢磨しながら、大学受験にふさわしい高い学力形成をめざします。

広野ふだんの授業以外にも数学に親しむ機会はあるのですか。

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佐々木 高1・2を対象にした「土曜講座AL」では、「算額をつくろう」という数学講座を開講しています。算額とは、江戸時代に神社や寺院に奉納された和算の絵馬のこと。講座で制作した作品の一つが、先日「算額をつくろうコンクール」で銅賞を受賞しました。また、わたしが顧問を務める「競技数学部」でも、部員が文化祭の来場者に向けてオリジナル問題を作問しています。なかには、大学レベルの難問を考案する者もおり、そのレベルの高さにはわたしも驚かされるばかりです。

広野 数学オリンピックに挑戦する生徒も多いのですか。

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佐々木 競技数学部は、もともと数学オリンピックをめざす生徒たちのために結成された団体です。過去には10人ほどが予選を突破しましたが、まだ本選を勝ち抜いた者はいないので、本校から日本代表メンバーを輩出することが現在の目標です。最近では女子の挑戦者も増え、昨年は3人が予選を通過しました。2025年度から「日本女子数学オリンピック」も始まったので、それを追い風に、さらに挑戦者が増えるといいなと思っています。

広野 次に、中学入試の特徴について教えてください。

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生野 難問奇問は避け、できるだけオーソドックスな問題を出題したいと考えています。意識しているのは、前年度から大きく傾向を変えないことと、各分野からバランスよく出題することです。試験後に受験生から「解いていて楽しかった」と言ってもらえるような問題をめざしたいと思っています。

岡野 本校の入試日は1月上旬です。最難関校入試を控えた受験生が多く受けてくれるからこそ、その子たちの学力をもう一段階上げるようなものにしたいと考え、基礎・基本を重視しつつも、ひとひねりある問題を心がけています。一見難しく見える問題でも、問題文や小問のなかに誘導を織り込んでいますので、その意図を読み取り、落ち着いて取り組んでほしいと思います。

広野 最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

佐々木 わたしも約40年前に中学受験を経験しましたが、今の受験生の勉強量は、当時とは比べものにならないほど膨大です。しかし、ここで一生懸命勉強したことは、長い人生において必ず役立ちます。時にはつらく、大変な思いをすることも多いと思いますが、どうか辛抱強く取り組んでください。

入試問題にチャレンジ 栄東中学校

School
Data

所在地
〒337-0054 さいたま市見沼区砂町2-77
TEL
048-666-9200(アドミッションセンター)
学校長
田中 淳子
創立
埼玉栄東高等学校として1978年に開校。1992年、校名を栄東高等学校に改称し、中学校を開校。
URL
www.sakaehigashi.ed.jp
校舎写真

「知る・探る・究める」 アクティブ・ラーニングを展開

東京大学をはじめ難関国公立、医歯薬系、早慶に毎年多くの合格者を輩出している同校の特色は、個性と応用力を育むという観点から「アクティブ・ラーニング(AL)」を展開していることです。これは、グループワーク、ディスカッション、プレゼンテーションなど、生徒の能動的な学習を取り込んだ授業の総称。みずから課題を見つけ、それを解決していくといった能動的な学びを積極的に取り入れていくことで、自立的な学習態度を身につけるとともに、現代社会で活躍するために必要な「生きる力」を育んでいます。 (2026年9月現在)