サピックス特別インタビュー
算数入試で問う力、
数学力を伸ばす授業~サレジオ学院中編~
2026.10.13
サレジオ学院中学校・高等学校では、「アシステンツァ(共にある教育)」の精神を基盤とした教育を実践しています。生徒一人ひとりに寄り添う手厚いフォロー体制と中学入試の狙いについて、数学科の染谷諒先生に伺いました。
広野 数学の授業時間数を教えてください。
染谷 幾何中心の授業と代数中心の授業を、中1・2では週3時間ずつ、中3・高1では週2時間と週4時間で学びます。高2から文系・理系に分かれると、理系クラスは週7時間、文系クラスは週5ないし週4時間、それぞれの希望進路に沿った授業を行います。中高一貫校向けの検定外教科書「体系数学」を中心に、各教員が作成したオリジナルプリントや補助教材などを使用しながら授業を行っています。
広野 授業を進めるにあたって、どのようなことを意識されていますか。
染谷
本校の担任団は、中1から高3まで、6年間持ち上がることを基本としています。数学科の各教員も文理に分かれるまで学年の全クラスの授業を受け持ちます。「縦」と「横」の二つの軸で、生徒たちの成長を見守ることを心がけています。
また、どの学年も小テストを頻繁に行っており、放課後はその補習で教室が足りなくなるほど。あわせて、ノートチェックもこまめに実施しながら、生徒たちの学習状況を詳細に把握し、できるだけ早いタイミングでつまずきを解消するように工夫しています。
広野 数学が苦手な生徒には、どのような対応をされていますか。
染谷 数学の得手不得手を分けるのは、抽象的な概念を受け入れることができるかどうか、そして、わからないことがあっても粘り強く考えることができるかどうかにあると考えています。そのため、数学の苦手な生徒に対しては、抽象的な概念が生まれた背景や経緯をていねいに説明するように心がけているほか、深い思考を促すため、授業では一つの解法を解説して終わりではなく、ほかにも有効な解き方がないか試行錯誤する時間を設けています。それらを通して、生徒たちには「瞬時に答えを導き出すことだけが数学のゴールではない」ということを理解してほしいと思っています。
広野 一方、数学が得意な生徒に対するフォローもあるのですか。
染谷 数学を得意とする生徒たちには、ふだんの授業とは別に発展講習を用意し、日本ジュニア数学オリンピックなどで出題されるようなハイレベルな問題に取り組んでいます。先日挑戦したのは、「√2026×nの整数部分を取り出し、その数がnで割り切れる条件を探す」というもの。生徒たちは一生懸命に計算し、「ああでもない、こうでもない」と汗をかいていました。デジタルツールを活用した学びにもメリットはありますが、本校では、このように地道に手を動かして答えを導き出す経験を大切にしたいと思っています。
広野 次に中学入試について、出題の狙いとアドバイスをお聞かせください。
染谷 例年、大問1は計算問題、大問2は小問集合、大問3~5は記述を含む応用問題とし、どの分野からもまんべんなく出題しています。試験を通してわれわれが求めているのは、完璧な答案ではなく、受験生がどのように答えを導き出したかがわかる思考のプロセスです。大問を構成する小問には難易度にグラデーションをつけていますし、一見難しそうに見えても、解き進めていくにつれて作問者の意図がわかる問題を出題するように心がけています。何らかの手がかりを見つけて、確実に得点に結びつけられるよう、最後まであきらめず努力してもらえたらと思います。
広野 最後に、受験生にメッセージをお願いします。
染谷 本校は、イタリア語で「共にある教育」という意味を持つ「アシステンツァ」の精神を大切にしている学校です。どの教員も生徒のことを第一に考え、創意工夫を凝らした授業を展開しており、ご入学いただければ、私たち教員も寄り添いながら、一緒に数学のおもしろさを学んでいけると思います。積極的な挑戦をお待ちしています。
School
Data
- 所在地
- 〒224-0029 横浜市都筑区南山田3-43-1
- TEL
- 045-591-8222
- 学校長
- 鳥越 政晴
- 創立
- 1960年、目黒区碑文谷に目黒サレジオ中学校創立。1975年より中高一貫教育を開始。1995年、現在地に移転。
- URL
- www.salesio-gakuin.ed.jp
「25歳の男づくり」をモットーに、社会貢献できる人材を育成
サレジオ会の創立者ドン・ボスコの教育理念の下、「信・愛・理」を軸とする全人教育を実践しています。また、「アシステンツァ(共にある教育)」の考え方に基づいて、教員は生徒の心に寄り添い、「知・徳・体」をバランス良く指導。日々の教育活動や学校行事、部活動などを通じて生徒の自立や成長を促し、「25歳の男づくり」をモットーに、25歳になったときに社会貢献できる人材を育てています。また、中3では全員参加のイタリア研修旅行があります。校舎は閑静な住宅街にあり、横浜市営地下鉄「北山田」駅から徒歩5分と好アクセスです。(2026年10月現在)