サピックス特別インタビュー
名門校は授業こそが魅力
~広尾学園・英語編~
2026.05.25
教育理念に「自律と共生」を掲げる広尾学園は、国際的視野と進取の精神を尊重した未来志向の進学校として知られます。高い英語力を養う独自のカリキュラムと、海外大学にも対応した手厚い受験サポートについて、教頭の植松久恵先生に伺いました。
広野 初めに、貴校のコース編成について教えてください。
植松 本校は「本科」「医進・サイエンス」「インターナショナル」の3コース制です。さらに、インターナショナルコースは、主要教科をすべて英語で学ぶ帰国生中心のアドバンストグループ(AG)と、基礎から英語力の定着をめざすスタンダードグループ(SG)に分かれます。英語を母語とする者から学習経験の浅い者まで、幅広いレベルの生徒が在籍しているのが特徴です。
広野 どのようなカリキュラムで授業を進めていらっしゃるのでしょうか。
植松
本校では、AGを除くすべてのクラスで、外国人教員による英会話の授業を週3時間、日本人教員による文法を中心とした授業を週3〜5時間設けています。それによって、実践と理論の両面から、「聞く」「話す」「対話する」「読む」「書く」の英語5技能をバランスよく養成することができるのです。
このカリキュラムは、もともとはSGの生徒に向けて始めたものでしたが、その学習効果が非常に高かったことから、本科と医進・サイエンスコースにも導入しました。その結果、入学時の英語学習経験の有無にかかわらず、ほとんどの生徒が中3時点で英検®準2級に合格しています。
広野 外国人教員の比率が高いのも特色の一つですね。
植松 はい。現在26人が所属しています。教科としての英語だけでなく、数学や理科といった高度な専門分野について英語で教わることのできる環境は、本校の強みの一つです。また、インターナショナルコースは、外国人教員と日本人教員の2人担任制を採り、英語と日本語の両面から、生徒たちの悩みや困りごとなどをきめ細かくフォローしています。
広野 国際交流も盛んですね。
植松 希望者を対象とした「オーストラリア短期留学」(中3)と「イギリス短期留学」(高1)を、毎年夏休みに実施しています。また、SGの生徒には、アメリカとシンガポールにある提携校との4週間の交換留学プログラムを、海外大学志望者には、ロサンゼルスとボストンをそれぞれ隔年で訪れる大学見学ツアーを用意しています。
広野 貴校では毎年多くの生徒が海外大学に挑戦しており、2025年度は延べ375名の合格者が出ています。その背景には何があるのでしょうか。
植松 わたしたちが進路指導で意識しているのは、生徒自身に「どの学部で何を学びたいのか」「それにはどの国の大学が適しているのか」を考えてもらうことです。国内大学はもとより、本校に届く年間200を超える海外大学の学校情報や、実際に海外大学に進学した先輩の体験談などをもとに、生徒たちはアメリカやイギリス、オーストラリア、カナダ、オランダなどにも視野を広げて大学選びを行います。「何を学びたいのか」を軸に考えるため、インターナショナルコースから国内大学に進学する生徒もいれば、本科コースから海外大学に進む生徒もいるなど、卒業後の進路は多岐にわたります。
広野 海外大学に特化したサポートがあれば教えてください。
植松 特徴的なのは、1人の生徒に対して、外国人教員と日本人教員がエッセイをサポートすることです。また、高2では複数の教科でアドバンスト・プレイスメント(AP)コースを設置し、大学レベルの知識や教養を持って海外大学受験に挑戦できる環境を整えています。
広野 最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。
植松 本校の強みは進路の多様性です。国内だけでなく、海外大学も選択肢に入れて将来を考えたいという受験生には最適な環境だと思います。「英語の授業についていけるか不安」という受験生もいらっしゃいますが、本校ではどの生徒に対しても「中1がスタート地点」と考えて指導していますので、安心してご入学いただきたいです。
- 英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
School
Data
- 所在地
- 〒106-0047 港区南麻布5-1-14
- TEL
- 03-3444-7272
- 学校長
- 南風原 朝和
- 創立
- 1918年に板垣退助・絹子を中心に創立。2007年の共学化とともに、広尾学園中学校・高等学校に改称。
- URL
- www.hiroogakuen.ed.jp
「学校は未来」。自律と共生の理念の下、成長し続ける人を育成
2007年の校名変更と共学化以降、さまざまな教育改革を推し進める広尾学園。教育方針に「新しい時代に活躍できる人材を輩出する」ことを掲げ、グローバル社会で必要とされる問題解決能力やコミュニケーション能力を養成しています。高度なキャリア教育プログラムや体験重視の行事など、さまざまな学習プログラムを展開する一方、DNA鑑定講座や病理診断講座、各分野の最先端・最前線の方々による「広学スーパーアカデミア」など、従来の学校教育を超えた多様なスタイルでの教育活動が行われています。 (2026年5月現在)