Sサプリメント
テストで“捨て問”を見抜くコツ
2025.12.22
サピックス小学部 事業本部長 溝端 宏光
溝端 宏光
前回のブログでも触れましたが、今年の10月から11月にかけて、SAPIXメソッド特別講演「“知識の活用力”が受験のカギ~高学年の上手な学び方」を実施しました。
前半の講演は、会場によって異なる講演者が担当する形でしたが、後半の講演は私が担当しました。この講演会を企画するにあたり、私がテーマにしたことは次の3つでした。
- ① 世の中に溢れる情報との付き合い方
- ② “不安”と上手に付き合う方法
- ③ SAPIXの考える“学力を高める上で大事なこと”
テーマ自体はかなり早い段階で決まったのですが、構成については、作っては壊し、作っては壊しの繰り返しでした。初案を作ったのは中学受験フォーラムが終わった直後の3月下旬くらいでしたが、紆余曲折を経て、最終案が固まったのは9月中旬くらい、実施間近でした。細かい修正を含めると何度手を入れたかわかりませんが、大きな変更だけを数えても、皆様に披露した内容は第7案くらいになるのではないでしょうか。
この講演の最後の方では「Sサプリメント」についても触れ、今までで一番多くの方に読まれたブログが、2025年6月30日にアップした「テストでミスを減らす方法」であることを紹介しました。
講演の中で“すぐ役立つものはすぐに役立たなくなる”という話をしましたが、そうはいっても、中学受験を目指す以上、すぐに取り入れられそうなアドバイスが欲しくなりますよね。気持ちはとてもよくわかります。
そうした話の流れの中で、「もし、『テストで“捨て問”を見抜くコツ』や『算数の“解くスピード”を上げるコツ』といったブログを書いたら読んで頂けますか?」と問いかけたのですが、反応は会場によりまちまちで、多くの方が大きく頷かれていた会場もありましたし、ほぼ無反応の会場もありました(泣)。
人間どうしてもマイナスの記憶の方が残りやすいもので、私自身、皆様がこの話題を望まれているのか若干心配ではあるのですが、話題を出しておいて“何も無し”というのも不誠実だろうと思い、勇気を出して「テストで“捨て問”を見抜くコツ」を書くことにしました。
前置きが長くなりましたが、本題に入りたいと思います。
「テストで“捨て問”を見抜くコツはありますか?」と聞かれた場合、 私の答は、「“捨て問”を見抜こうとすべきではない」となります。
見事なタイトル詐欺ですね!
(自分で言うなと言われそうですが…)
なぜ、“捨て問”を見抜こうとすべきではないのか、その意図をお話ししていきましょう。
実のところ、「この問題は“捨て問”」という議論は、塾の教師が後付けで行うものです。その判断のもととなるのは、主に以下の3つです。
- 受験生の出来の予想
- 学校発表の入試データ
- 実際に受験した生徒の感想
指導経験豊富な教師であれば、「この問題は多くの受験生が苦労するのでは…」と予想することができますが、その予想が合っているとは限りません。
試験後に発表される入試データや、実際に受験した生徒の感想などをもとに、「この問題を間違えた、もしくは捨てたとしても、合否にはほとんど影響しなかったであろう」と判断をしていくわけです。
ですので、入試の最中に何のデータもなしに判断すること自体が非現実的なのですが、特に受験生が実行するのが難しいのが「出来の予想」です。
先ほど、指導経験豊富な教師であれば、「この問題は多くの受験生が苦労するのでは…」と予想することができると書きましたが、小学生のお子様に、「他の受験生がこの問題を解けるかどうか予想しなさい」と言ってもそれは無理な話です。
そして、その判断ができる力は、受験生に求められる学力とは大きくかけ離れたものです。
お子さまの将来の希望が塾の教師になることであれば、他の子の様子を見て判断力を磨いておいてもよいかもしれませんが、そんな方はほとんどいないと思いますので、だからこそ「“捨て問”を見抜こうとすべきではない」という話になるわけです。
では、テストにおいてどのようにすればよいのでしょうか。
答えはシンプルです。
「時間配分」と「問題選択」を的確に行うことです。
テストにおいて、
- 時間配分に気をつける
- 解ける問題から解いていく
の2つは“常識”とされることですが、これを的確に実行していけば、試験時間が経過して最後に残るのは、自然と難しい問題になるはずです。
つまり、テストで目指すべき方向は、「“捨て問”を見抜く」ことではなく「“捨て問”(になりえるくらい難しい問題)を上手に避ける」ことなのです。
そのために、「時間配分」と「問題選択」を意識することが重要です。
このブログがアップされるのは12月22日、受験に向けた追い込みの時期です。
授業の中で、実戦形式のテスト演習を行う機会も増えてきます。
ぜひ今回の内容を役立てて頂ければと思います。