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世の中の出来事と算数との関係
2025.09.01
サピックス小学部 算数科
算数は、世の中の出来事とのつながりが薄い科目だと捉えられることが多いのですが、実は、身の回りのものや時事ネタを題材とした入試問題はいくつも存在します。
前回のブログで紹介した「トランプ」もそうですし、携帯電話の料金プランやタクシー料金も一時期はよく題材になりました。時事ネタで言えば、大きな選挙が行われる前後には選挙を題材にした出題が増える傾向にあり、近年の例で言えば「票の按分(あんぶん)」を題材とした出題も見られました。
時事ネタの例でもう一つ。かなり前になりますが、ある芸人さんが「3のつく数と3の倍数のときだけアホになる」というネタでブレイクしたことがありました。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,…と数を言っていくのですが、3のつく数と3の倍数のときだけ変な顔をしながら高い声で発声するというネタでした。小さい方から挙げると、3,6,9,12,13,15,…のときですね。当然、30台の数は全てあてはまりますので、30,31,32,…と言うときはずっと「アホになる」わけです。
当時一世を風靡していましたので覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、その影響は中学受験界にも及び、多くの学校でこのネタを題材にした問題が出題されました。
「3のつく数と3の倍数」を題材とした問題だけではなく、そこから派生した「9のつく数と9の倍数」を題材とした問題なども見られ、中学受験界では、これらの問題をまとめて、その芸人さんの名前を借りて「ナベアツ問題」と密かに呼んでいました。
この「ナベアツ問題」、残念ながらネタのブームが去った後は入試問題でも扱われなくなってしまいましたが、実は、「3のつく数と3の倍数」や「9のつく数と9の倍数」は、どちらも「数の均等性」に注目すると綺麗なきまりが見つかるのですよね。 (高度な内容になるので詳細は触れませんが…)
芸人さんのネタが算数の奥深さにつながったという、非常に印象に残る出来事でした。