Sサプリメント

漢字問題の誤答から分かること

2025.07.07

サピックス小学部 国語科

今回は、漢字問題の間違い方から分かる傾向と対策についてお話したいと思います。

過去の春期6年テキストの中に「~私がテレビを見ていて突然怒り出したのでカジンが驚いた~」の「カジン」を漢字に直させる問題があったのですが、皆様この問題、どれぐらいの正答率だったと思いますか?
「家人」と書いて正解することができたのは意外なことに上位コースでも3割に満たない程度でした。間違い方として一番多かったのは「歌人」です。次に「火人」、そして読み間違いよる「家臣」の順でした。

間違えた問題のやり直しをすることは勿論大切ですが、この場合「家人」と何回も練習することにあまり意味はないでしょう。
それよりも「なぜ歌人、火人という解答を選択したのか」を確認することのほうが大切です。
歌人、火人と書いた生徒たちに、その理由を聞いてみると「真っ先に頭に浮かんだ漢字だったから」という理由がほとんどでした。
「家人」は生徒たちに馴染みのない言葉なので間違えても仕方ないのですが、文章の前後から意味を判断することなく「カジン」という部分だけを見て、思いついた漢字を書いていたとなれば問題アリです。

このような生徒さんは普段の漢字練習でも「例文を読むことなく、カタカナの部分だけを見て形として覚える」という間違った学習をしている危険性があります。
入試では、漢字自体は知っていても熟語としての意味が分からなければ書けない漢字問題が頻出となっています。
漢字はただ暗記するものではなく、考えて身につけるものであることを知っておきましょう。
また、漢字熟語という「一番短い読解問題」をしっかりと考えて学ぶことができれば国語の力も自ずとついてくるものなのです。