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勘違いが多い言葉 その2

2025.09.08

サピックス小学部 国語科

以前の記事で、意味を間違って覚えている人が多い言葉として「情けは人のためならず」、「気が置けない」を紹介しました。
今回は使い方で誤解を生みやすい言葉を二つ紹介したいと思います。

①姑息

「こんなところに落とし穴を掘るとは、なんて姑息な手を使うやつだ。」
このような使い方をされることから、「卑怯」「ずるい」という意味のようにとらえがちです。
ですが、本来の意味は「一時しのぎ」「その場のがれ」です。
「姑」には「しゅうとめ」の他に「一時的に」という意味、
「息」には「呼吸」の他に「休む」という意味があります。
つまり、「一時的に休んでその場を乗り切る」→「一時しのぎ」となったわけです。

②煮詰まる

「みんなでさんざん考えたけど、煮詰まってもうアイディアが出ないよ」
このような言葉の使い方を見たり聞いたりしたことがないでしょうか。
「行き詰まって結論が出ない」といったときに使いがちなこの言葉ですが、本来は「十分に考え、議論して結論が出る状態」を指す言葉なのです。
鍋を火にかけすぎて、ボコボコ煮えたぎって焦げ付きそうなイメージから、「煮詰まる」を否定的な意味でとらえてしまうのかもしれませんね。

言葉の使い方は時代とともに変化します。誤用とされていた使い方が一般的になって許容されていくこともあります。
しかし、その経緯を知らずに言葉を使っていると、思わぬ誤解が生じるおそれがあります。
日頃から言葉の使い方、意味に意識を向けておきたいものです。