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なぜ大事なのか分かってる?
2026.04.06
サピックス小学部 国語科
新学年を迎えて新しいコースを担当する際、どんな教師も今まで学んだ基本的なことが生徒に身についているかどうかをまず確認しながら授業を進めていくことになります。
5年生の授業では「物語を読むとき、どんなところに注意して読めばいいのかな」「説明文を読むとき、どんなところに注意して線を引いたり、印をつけたりすればいいの?」のような問いを、生徒たちに投げかけるようにしています。
そうすると、必ず元気な声で「(物語では)時、場所、人が変わったら線を引く、気持ちが分かるところに線を引く」「(説明文では)例とまとめを考える、指示語、接続詞に注意する」などの回答が返ってきます。さすが5年生になると期待した通りの回答が返ってきますね!生徒たちも「どんなもんだい!」といった感じで、答えられたことが嬉しくて得意そうな様子です。
ただ、次に「それじゃあ、今みんなが答えてくれたところに、なぜ注意をしたり線を引いたりするの?」と質問をしてみると……「大事だから!」「先生に言われたから!」という声が圧倒的で、その目的を理解している生徒は非常に少ないようです。
国語の教師が目的や意味を伝えずに、ただ「やりなさい」ということは絶対にないのですが、時間の経過と共に、生徒たちの間ではいつのまにか「標語」のようになってしまうみたいですね。
過去の記事でも触れていますが、手を動かして読むことは「長い文章を読みこなすための工夫であり、予想される問題を攻略するための戦術」となります。国語の長文を一度読んだだけで、その内容のすべてを記憶して俯瞰することができる生徒はいません。ですから、自らの力で文章の構造を理解できるようにし、問題の解答根拠を導くための布石として能動的に手を動かすことが必要となります。その作業が文章内の「横のつながりを結ぶ」ことにも繋がり、全体像が見えてくるようになるのです。
先程の「大事だから」と答えた生徒たちには「長い文章を読みやすくして、問題を解きやすくするための作戦なんだね。だから文章を読むときには大事なことなんだよ」と伝えています。「作戦」というワードは、意外と生徒たちに響くみたいですね。手を動かすことが苦手なお子様に、一度試してみてはいかがでしょう。