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僕は絶対に恋なんてしない!
2026.08.03
サピックス小学部 国語科
「僕は絶対に恋なんてしないよ。だから恋心なんて意味不明だよ!」
「私は結婚しないでバリバリ仕事をするつもりだから、恋愛モノに興味ない!」
「恋心」がテーマの文章で授業をしていると、必ずといっていいほど耳にする言葉です。そして、このように主張する多くの生徒さんに共通しているのは「僕は、私はこうありたい!」というストレートな自分の気持ちを基準にして考えてしまうため、国語の読解で苦戦しているという事実です。
低学年の頃は、自分の体験を重ねる「共感」を軸にして読み解くものが多いのですが、学年が上がるにつれて多岐にわたる文章に触れることとなり「客観的な分析力」が求められるようになります。高学年になって国語の成績が伸び悩む生徒さんは、このシフトがうまくできていないことが多いようです。
「恋をする、しないは自由だし、君の意志として尊重しましょう。でも国語の問題は『君がどう思っているか』を聞いているんじゃないよ。文章に書いてある内容から導くことができる解答が正解になるのです。ちなみに、今、君は恋をしないと言っているけれど、あと5年経ったら分からないな。先生も君とまったく同じ考えだったから」ということを、毎年のように現れる「絶対に恋をしない宣言」をしてくる生徒さんたちに伝えています。
ご家庭でも、お子さんが人物の気持ちを理解できず苦戦している時は、「そうだね。大人だって他者の気持ちを完全に理解することはできないよ。だけど、理解してあげたいと思うことは大切なことだと思うし、文章の中に証拠を見つけて推理していくのは探偵みたいで楽しいと思うよ」と、本人の気持ちを受けとめたうえでアドバイスしてあげてください。授業と家庭を通して「僕は、私はこう思ったけれど……その時代、その国では、どんな風に考えたのかな。大人になったとき、老人になったとき、どう思うんだろう、十年先は、百年先は…」のように考えることを繰り返して子どもたちは頭と心を育んでいきます。それは国語という教科だけの力にとどまらず、多様な価値観が求められる、これからの社会を生きる力になると我々は考えています。
余談ですが、「絶対に恋をしない」と発言する子の中には、てれ隠しで言っている子も大勢います。顔を真っ赤にして言ってくるのですぐに分かりますね。ちょっと大人びた子は「オレ、好きな子がクラスに3人いるよ」と堂々としたものです。「恋心?何ですか、それはー」みたいに、我関せずとしている子もいます。みなさんのお子さんはどのタイプでしょう?