さぴあ 作文コンクール

第26回さぴあ作文コンクール

課題図書

低学年向け課題図書:「ひかる石のおはなし」
「ひかる石のおはなし」

しゃべれない男の子が拾ったのは
かすかに光り、話し掛けてくる石

低学年向けの課題図書は、『ひかる石のおはなし』です。小学生のかえでは、学校の帰り道でまんまるな石を見つけました。かすかに光るその石は、なんと話し掛けてくるのです。楓はその石を家に持って帰ることにしました。

楓の家でごはんを作ってくれるのは、お父さんです。お母さんは、楓が小学校に入学する少し前にいなくなってしまいました。そして、友だちに「おまえのかあさん、死んだんだってな」と言われた楓は、口からことばが出なくなってしまったのです。

お父さんとさえ話せなくなっていた楓ですが、拾った石とだけは話すようになりました。楓が「きみはぼくの友だちだよ」と言うと、石は「わたしはいつも、きみのそばにいるよ」と答えます。

ある日、楓は石と話しているところをお父さんに見られました。慌てる楓に、お父さんは「おもしろい話をしてあげようか」としゃべり始めました。「楓がひろった石は、いんせきの遠いしんせきかもしれない」と言うお父さんに、楓は思わず「ほんと?」と声を出しました。久しぶりに楓の声を聞いたお父さんの顔は輝き、話はさらに続きます。

石には、化石といって、昔は動物や植物だったものがあること。そんな化石がたくさんある場所を、お父さんとお母さんが訪ねたことがあること。お母さんは石が大好きだったこと。自然の中での石の役割のこと……。

お父さんの話を聞いて、楓の心はどんなふうに変化していくのでしょうか。

小手鞠るい=作
酒井以=絵
あかね書房=発行
定価=1,320円(税込)
高学年向け課題図書:「バトン」
「バトン」

ひな人形が解きほぐしていく
それぞれの家族の記憶

高学年向けの課題図書は『バトン』です。絵を描くことが好きな圭。明るく、サッカーが大好きなイラン人のハッサン。誰とも話そうとしない白井さん。圭と白井さんは積極的に友だちをつくろうとするタイプではありませんでした。しかし、ハッサンが持ち前の明るさで心の距離を縮め、3人で集まって話をするようになり、徐々に打ち解けていきました。

ある日、圭のおばあちゃんが家にやってきて、荷物を運び込みました。箱の中にあったのはひな人形です。このひな人形は、圭の父親の妹であるカオルのものでした。カオルは、幼くして心臓の病気で亡くなっていたのです。おばがいたことさえ知らなかった圭は驚きます。

ひな祭りをしたいというおばあちゃんのために、ハッサンと白井さんを招き、パーティーをすることになりました。パーティーで、おばあちゃんは思いがけないことを言い始めます。おばあちゃんは老人ホームに入るので、自分の家や荷物を処分している。けれども、カオルが好きだったこのひな人形は処分できない。だから子どもたちにもらってほしいというのです。

最初は戸惑っていた3人ですが、おばあちゃんの思いを聞いて、ひな人形を受け取ることにしました。圭は三人官女さんにんかんじょ。ハッサンは五人囃子ごにんばやし。白井さんは女雛めびな男雛おびな。持ち帰ったひな人形をきっかけに、それぞれの家で、家族の記憶や思いがよみがえっていきます。

人、もの、自然……、さまざまなつながりを考えさせられる物語です。

中川なをみ=作
大野八生=画
くもん出版=発行
定価=1,430円(税込)

応募要項

今年度の受付は終了いたしました。たくさんのご応募、ありがとうございます。

審査員

サピックス小学部国語科、さぴあ編集部ほか

結果発表

「さぴあ」11月号(予定)誌上および、当ホームページ、校舎掲示ポスター、優秀作品集等にて掲載いたします。なお、受賞者全員の氏名ならびに優秀作品を掲載いたしますので、あらかじめご了承ください。

賞と賞品

(各作品ごとに)大賞1名、優秀賞3名、さぴあ賞11名
受賞者には賞状および賞品・記念品をご用意しています。また、応募者全員に参加賞を贈呈いたします。

表彰式

2022年11月13日(日)開催予定

保護者の皆さまへ

26回目を迎えた「さぴあ作文コンクール」

「感じてほしい、考えてほしい」をテーマに開催してきました「さぴあ作文コンクール」も、今回で26回目を迎えることができました。これもひとえに皆さまにご理解・ご協力いただいたおかげと心より感謝しております。

このコンクールは子どもたちに読書を通じて、 いろいろなものの見方や考え方に触れ、自分の世界を広げてもらうとともに、感じたことや考えたことを自分のことばで表現する楽しさも味わってもらうことを狙いとして実施しております。また、現実の社会にはさまざまな問題があり、そのなかで苦しんだり傷ついたりしている人たちがいることにも目を向けてほしいという願いもあります。

第1回の課題図書『地雷ではなく花をください』では、対人地雷の問題について考えてもらいました。それ以来、「さぴあ作文コンクール」の課題図書には、紛争や貧困のなかでも、また障害や難病を抱えながらも希望を失わずに強く生きようとする子どもたちの姿を描いた本などを選んでいますが、子どもたちは本の内容や関連する事柄について、自分なりに精いっぱい考えたうえで、いろいろな切り口から自由に作文を書いてくれています。おかげさまで、現在では毎年恒例のイベントとなり、応募作品もたくさん寄せられています。寄せられる作文は、子どもたち一人ひとりが真剣にテーマと向き合い、一生懸命に自分の考えをまとめてくれたことがよく伝わってくる作品ばかりで、審査員一同、驚きとうれしさを覚えつつ読ませていただいています。

今回、26回目の開催をするに当たり、一人でも多くのお子さまに作品を応募していただけるよう、お願い申し上げます。

この「作文コンクール」がお子さまにとって、社会に目を向け、社会とどうかかわっていくのかを考える良いきっかけとなれば幸いです。

SAPIX小学部

さぴあ作文コンクールのあゆみ

「さぴあ作文コンクール」は、今回で26回目を迎えました。これまでの課題図書をご紹介いたします。

これまでの課題図書

第1回 「地雷ではなく花をください」 柳瀬房子=文
葉祥明=絵
第2回

「トットちゃんとトットちゃんたち」

黒柳徹子=著
第3回

「五体不満足」

乙武洋匡=著
第4回

「盲導犬のんのんのかたみ」

志茂田景樹=作
第5回

「いのちのあさがおコウスケくんのおくりもの

綾野まさる=作
松本恭子=画
第6回

「こぞうのパウのものがたり」全3巻

木村裕一=作
あべ弘士=絵
第7回

「電池が切れるまで子ども病院からのメッセージ

すずらんの会=編
第8回

「わたしの体ぜんぶだいすき」「これがぼくらの五体満足」

先天性四肢障害児父母の会=編著
第9回

「山古志村のマリと三匹の子犬」

桑原眞二・大野一興=著
ikko=絵

「震度7新潟県中越地震を忘れない

松岡達英=文・絵
第10回

「子ぎつねヘレンがのこしたもの」

竹田津実=著
第11回

「たからものはランドセルいっしょにすごした12年

野里寿子=作
第12回

現代の偉人伝 誠と勇気伏してぞ止まん ぼく、宮本警部です」

山口秀範=文
竹中俊裕=絵
第13回

「としょかんライオン」

ミシェル・ヌードセン=作
ケビン・ホークス=絵
福本友美子=訳

「声をなくした紙しばい屋さん」

関朝之=作
吉川聡子=絵
第14回

「ピンクのチビチョーク」

新藤悦子=作
西巻 茅子=絵

「命の教室動物管理センターからのメッセージ

池田まき子=著
第15回

「はじめてのゆうき」

そうまこうへい=作
タムラフキコ=絵

「氷の海を追ってきたクロ」

井上こみち=文 
ミヤハラヨウコ=絵
第16回

「おまじないのてがみ」

赤羽じゅんこ=作
石井勉=絵

「クッキーとコースケ―犬と走る日―

さとうまきこ=作
牧野鈴子=絵
第17回

「かいじゅうの さがしもの」

富安陽子=作
あおきひろえ=絵

「夜明けの落語」

みうらかれん=作
大島妙子=絵

「命のバトン津波を生きぬいた奇跡の牛の物語

堀米薫=文
第18回

「くつかくしたの、だあれ?」

山本悦子=作
大島妙子=絵

「きみの町で」

重松清=著
ミロコマチコ=絵
第19回

「絵本 いのちをいただくみいちゃんがお肉になる日

坂本義喜=原案
内田美智子=作
魚戸おさむとゆかいななかまたち=絵

「コケシちゃん」

佐藤まどか=作
木村いこ=絵
第20回

「勇気の花がひらくとき やなせたかしとアンパンマンの物語

梯久美子=文

「テオの「ありがとう」ノート」

クロディーヌ・ル・グイック=プリエト=著
坂田雪子=訳
第21回

「私が今日も、泳ぐ理由パラスイマー 一ノ瀬メイ

金治直美=文

「あかりさん、どこへ行くの?」

近藤尚子=作
江頭路子=絵

「レシピにたくした料理人の夢-難病で火を使えない少年-

百瀬しのぶ=文
第22回

「ともだちのときちゃん」

岩瀬成子=作
植田真=絵

「まっすぐな地平線」

森島いずみ=著
はぎのたえこ=絵
第23回

「どこどこ山はどこにある」

おおぎやなぎちか=作
松田奈那子=絵

「いいたいことがあります!」

魚住直子=作
西村ツチカ=絵
第24回

「しあわせなハリネズミ」

藤野恵美=作
小沢さかえ=絵

「夏に降る雪」

あんずゆき=作
佐藤真紀子=絵
第25回

「ココロ屋 つむぎのなやみ」

梨屋アリエ=作
菅野由貴子=絵

「星明かり」

熊谷千世子=作
宮尾和孝=絵
第26回

「ひかる石のおはなし」

小手鞠るい=作
酒井以=絵

「バトン」

中川なをみ=作
大野八生=画

各種お申し込み


フリーダイヤル
0120-3759-50
(日曜・祝日をのぞく)