卒業生の声

サピックスに通われた皆さんが何を感じどんな体験をされたのか、
心あたたまる貴重なメッセージをいただきました。

サピックスの学習方法が、大学受験でも役立ちました

鵜澤 玲子さん(うざわ れいこ)

経歴
  • 東京医科歯科大学医学部(保健衛生学科)3年生
  • 市川高等学校卒業
  • サピックスOG(平成27年卒業)

わたしがサピックスに入室したのは、新3年生のときです。塾選びをするなかでサピックスの体験授業に参加し、いちばん楽しかったことが決め手となりました。個性的な先生が多く、テンポ良く問いを投げ掛けて生徒のやる気を引き出してくれるので、どの授業もとても興味深かったことを今でも覚えています。サピックスで出会った仲間からも、たくさんの刺激をもらいました。受験が近づくにつれ、「仲間と一緒に志望校合格をめざしてがんばろう」という雰囲気が強くなり、わたしもそれに感化されました。

いちばんつらかったのは、周りからのプレッシャーを感じて、成績が伸び悩んだ時期です。そのとき先生から、「偏差値が上がっていないけれど、それはみんなの必死のがんばりに食らいついているということ。決して努力が足りていないわけじゃないから、そのままがんばり続けよう」と声をかけていただきました。そのおかげで、最後まであきらめることなく、中学受験と向き合えました。苦手だった国語は、先生から具体的な復習方法を教えていただき、少しずつ成績を上げていくことができました。

サピックスでの学習は、難しい問題を無理に解くのではなく、できる問題からしっかり取り組み、それを繰り返すことで着実に定着させつつ、解ける問題の幅をどんどん広げていくというものです。テキストは分野別に分かれていて、1年間を通してその内容を何度も繰り返して学ぶカリキュラムが組まれているので、確かな学力が身につきます。この学習法は、中学・高校の学習でも役立ちました。正解した問題も間違えた問題も、何度も繰り返し復習する重要性を実感したわたしは、大学受験のときもその習慣を継続し、第一志望校への合格を勝ち取りました。

看護の道を選んだのは、「誰かのためにがんばることが、いちばん力を発揮できる」と考えたからです。将来は、患者さんが望む生活を送れるように、広い分野の知識に精通した看護師になりたいと思っています。

中学受験で努力を重ねた経験は、必ず将来の自分の糧となります。長い受験生活ではつらいときもあると思いますが、がんばっている自分を信じて突き進んでください。まずはサピックスの先生の言うとおりに授業の復習をしたり、テキストを解いたりすることが大切だと思います。

サピックスで身につけた、黙々と学習に取り組む姿勢

近藤 初音さん(こんどう はつね)

経歴
  • 東京大学理科三類1年生
  • 桜蔭高等学校卒業
  • サピックスOG(平成29年卒業)

小さなころから好奇心旺盛で、よくしゃべる子どもでした。読書やパズルが大好きで、好きな本は読み終えたら書き写したり、遊び終わったパズルは裏返したり目隠しをしたりして再挑戦していた記憶があります。

そんなわたしが、両親に勧められてサピックスに入室したのは4年生のときです。決め手は、自宅から通いやすかったことと、進学実績が高くて信頼できる塾であったこと。授業はいつも楽しく、勉強するというよりも先生のおもしろい話を聞きに行くような感覚で通っていました。その一方で、クラス昇降のあるマンスリーテストに加えて、日々の小テストでも周囲の友だちと切磋琢磨しながら取り組めたので、良い刺激にもなりました。今でもよく覚えているのは、理科の勉強をする気になれなくて、サピックスの先生に相談したときのことです。先生から「リケジョの近藤さんへ」と題した励ましのメッセージをいただき、これが理科好きになるきっかけとなりました。

桜蔭を志望校に決めたのは6年生の夏です。もともとは別の学校をめざしていましたが、桜蔭コースに入り、そこでみんなが志望校合格をめざして熱心に学んでいる姿を見て、「わたしも桜蔭に合格したい」と自然に思うようになりました。こういった周囲の環境もあり、強いモチベーションを保てたことが、合格につながったのだと思います。

サピックスへの通塾を通して、小学生のうちにしっかりと身についた学習習慣は、その後の中高生活でも生きました。大学の志望校を東京大学の理科三類と決めたのは高3の秋でしたが、それ以前のわたしにとって、東大理三は雲の上のような存在でした。しかし、こつこつと勉強したおかげで、夏の模試では良い結果を得られ、「わたしにもチャンスがあるのかも」と思うようになりました。その後の秋の模試では成績が振るいませんでしたが、それからも気持ちがぶれずに、黙々と学習を続けられたのは中学受験の経験があったからです。

中学受験と大学受験を経験して感じたのは、継続的に学習できる人が最終的には強いということです。もし思うような結果が出なかったとしても、目標に向けて努力した経験は、さまざまな場面で自分の力になります。皆さんもがんばってください。応援しています。

目標のために計画を立て、日々実行する大切さを学びました

多田 壮汰さん(ただ そうた)

経歴
  • 東京大学文科一類1年生
  • 開成高等学校卒業
  • サピックスOB(平成29年卒業) 

幼稚園年少から1年生の途中まで、海外でインターナショナルスクールに通っていました。サピックスに入室したのは、帰国後すぐの新2年生からです。楽しく学べる環境を探していた母が薦めてくれました。開成を志望校として考え始めたのも2年生のころ。「高校生クイズ」で開成のクイズ研究部が優勝したのを見て、あこがれを抱きました。

サピックスでは、ユニークな先生方や仲間たちと一緒に、時に真剣ながらもにぎやかな雰囲気で進んでいく授業がとても気に入っていました。SS特訓のときの昼休みに、仲間たちと談笑しながらお弁当を食べたことも、楽しい思い出として今でも心に残っています。3年生まではサッカー、6年生の夏までは英会話と体操教室に通っていましたが、待ち時間や移動時間に少しでも学習を進めるなどして、限られた時間をうまく使うように心がけていました。

中学進学後にもつながる思考力を身につけられるのも、サピックスの魅力です。開成は本当の意味で自由な学校で、運動会や文化祭、修学旅行などの運営を生徒が行います。どうすればみんなが納得する形で開催できるか、自分たちで考えた際にも、サピックスで培った力が役立ったと思います。多種多様な考え方を持つ友人たちから常に刺激を受けて、向上心を持ちながら学校生活を楽しむことができました。

ぼくは目標を立て、それを達成するための計画を地道に遂行することの大切さをサピックスで学びました。小さなところでは毎週の課題をどうこなしていくのか、大きなところでは志望校に合格するためにどういう手順を踏んでいくのかなど、計画を立てることを要求される場面が多くありました。親にサポートしてもらいながらですが、そのような状況で計画を立てて遂行できたことは、今の生活にも生きてくる大きな経験になったと思います。

中学受験で目標を達成するためにいちばん大事なことは、「日々の積み重ね」です。サピックスのカリキュラムは、課題にきちんと取り組み、授業でそれを確認しつつ新しいことを身につけるというサイクルを継続すれば、自然と実力がつくようにできていると思います。たとえ気分が乗らなくても、毎日勉強する習慣をつけることが合格への重要な一歩です。あきらめることなく、自分を信じてがんばってください。

合格後の学校生活を想像すると、受験勉強も楽しめる

西浦 大道さん(にしうら だいち)

経歴
  • 慶應義塾大学法学部政治学科2年生
  • 慶應義塾高等学校卒業
  • サピックスOB(平成28年卒業)

小学生のころのぼくは、陽気で自由奔放、典型的ないたずらっ子だった気がします。両親の勧めで4年生からサピックスに入室しましたが、受験勉強だけでは息が詰まるということもあり、地域のバレーボールチームにも所属し、中学入試が迫る6年生の10月まで打ち込んでいました。

印象に残っているサピックスの授業は、志望校別の特訓です。同じ志を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら、昼休みなどにはたわいもない話で盛り上がっていたのは楽しい思い出です。校舎の先生とも仲良くさせていただきました。サピックスでの学習を通して得たのは体系的・論理的に考える力です。このような思考を、小学生のときに経験するかしないかでは、大きな差があると思います。

第一志望を慶應普通部に決めた理由は、学校と生徒との信頼関係が確立されている校風にひかれたからです。自由度の高い労作展など、生徒の主体性を尊重するその大人っぽさに、当時のぼくは強くあこがれました。

労作展は、自分のなかで大きな経験となりました。自由だからこそ、テーマ設定と方向性をしっかり決めることの重要性を実感し、作品を作り終えたときは大きな達成感に包まれました。

普通部で所属していたバレーボール部では、顧問の先生から「考えて勝つバレーボール」を教えていただきました。そのときに学んだ取り組み方は、高校・大学で所属するホッケー部での活動でも生きています。現在、大学のホッケー部ではアナリストとしての役割を担い、選手の動きをデータ化するGPSデバイスの活用や、チームとしてのスカウト制度、育成制度の構築、外部法人とのスポンサー契約獲得に向けた取り組み、SNSをはじめとしたコンテンツ力の強化などに携わっています。

中学受験は、勉強をがんばって志望校に合格することだけが目的になってしまいがちです。それも大切なことですが、合格した後、あこがれの学校で自分は何がしたいのか、自分がどのような学校生活を送っているのかという未来を想像すると、勉強が楽しくなります。ぼくは過去問をわくわくしながら解いたこともありました。「この学校に行きたい」という強い意志を持って、がんばってください。