効果的な学習
学習の定着度を高める『復習主義』
サピックスの授業は予習ができません。それには理由があります。
サピックスでは子どもたちが自ら関心を持って考え、学んだことがきちんと身につくようにするために、授業から教材まで「復習中心の学習法」に基づいて構成しています。子どもたちには、塾の授業に予習をすることなく臨み、その場でその日の課題に取り組んでもらいます。そして家庭では、塾で学習した内容の復習を中心に進めてもらいます。塾と家庭での学習を復習主体に組み立てて、全体として学習の定着度を高めていこうというのです。
では、実際にはどのように『復習中心の学習法』が実践されているのでしょうか。まず、サピックスではその日に使う教材はその日の授業で渡します。子どもたちは予習をしてくる必要はありません。入試がそうであるように、テキストの内容は子どもたちにとっては初めて出合うものです。「今日はどんなことを勉強するのかな?」という子どもたちの知的好奇心をかき立て、授業に集中させます。
授業では板書を媒介にして子どもたち自身が問題に取り組み、講師が解説します(『黒板授業』『討論式授業』はサピックスの指導法の大きな特色です)。そして授業終了時には、その日に学んだ内容を家庭で復習できるように「復習教材」を渡します。教材には授業での学習内容が自然に身につくように、易しい問題から難しい問題、発展問題、類似問題など難易度や問題の質を考慮した課題が盛り込まれています。授業中は講師の誘導によって簡単に解けた問題でも、一人で問題に向き合ったときに、はたと解けなくなることがあります。授業で学んだことを一人で考え直したり確かめたりする時間は、学力の定着に必要不可欠であり、塾での学習と家庭学習は、車の両輪のようなものなのです。サピックスは、家庭での自学自習が塾での学習と同じように重要だと考えています。
“らせん階段状学習”で着実にレベルアップ。
家庭で復習したことは次週の授業の「小テスト」で定着度を確認し、つまずきやすいところをもう一度わかりやすく解説していきます。また、教科によっては一つの単元を3~5週間にわたって、繰り返し学習していくことになります。
年間のカリキュラムにも「復習中心の学習法」は活かされています。一つの単元は、同じ学年でも何度か平常授業や講習において取り上げられるようになっています。また、学年が上がっても同じ分野は難易度が少し高くなった形で繰り返し学習できるようになっています。まさに、らせん階段を少しずつ上がっていくように、子どもたちはレベルアップを図ることができるのです。受験で扱われやすい分野は特に入念に繰り返され、基本から応用、そして入試で必要な実戦力まで身につくように配慮されているのです。
復習中心の学習法
忘れて当然。だから繰り返し覚える。
サピックスでは学習定着度を持続させるために、カリキュラムを「らせん状(スパイラル)」に構成しています。授業で勉強し家庭で復習した単元が、しばらくして忘れかけたころに少し視点を変えて、やや難しくなって再び出てくる。そこでまた勉強し、復習する。これを繰り返すというカリキュラムです。同じ学年で一つの単元が何回も繰り返し扱われ、さらに学年が進むごとにその内容は高度になっていきます。
また、4〜6年生では算数の授業を「A」「B」に分類し、学習内容の理解と定着を高めるシステムをとっています。
一つの単元を繰り返して学ぶ算数のカリキュラムの一例
1週目
「算数B(新規単元)」
生徒は勉強する内容をここで初めて知ります
2週目
「算数A(前回の復習)」
1週目で学んだ重要問題・類題・応用問題などを解くことで学習内容の再確認をします。
総合回
「数回分をさらに復習」
算数B(新規単元)
黒板授業やテキストを利用した学習を通じて、新しい概念や各単元の重要問題を学ぶ授業です。
予習を必要としないサピックスの授業では、生徒にとっては未知の概念を、講師が黒板に板書しながら、さまざまな発問を繰り返すことを通して理解させていきます。算数B授業では、単なる解き方や公式の暗記に留まることなく、試行錯誤やひらめき、さらには論理的に考えることによって解き進めていくことができる学力の養成を念頭に置いています。
算数A(前回の復習)
前週に行った算数B授業を復習する授業です。
すでに学習した重要問題やその類題、さらには応用問題を解くことで前週の学習内容を再確認します。
授業内では理解度を試す小テストも実施し、確実な定着を図ります。
# | 1週目 | 2週目 | 3週目 |
---|---|---|---|
算数B | 植木算 | 場合の数 | 総合(過去数回分の復習) |
算数A | 角と角度 | 植木算 | 場合の数 |
らせん状(スパイラル)カリキュラムの一例 (理科「てこ」4〜6年)
- カリキュラム変更などの理由により学習月が変更になる場合もございます。
Q. 家庭学習は必要ですか?
サピックスでは「復習主義」を実践しています。学力の定着を図るため、授業で学習したことをご家庭で定着させていくことが必要です(また、定着度を確認するための小テストを授業中に随時実施しています)。家庭学習の内容については、講師が各回の授業で理解度に応じて具体的に指示させていただきます。
Q. 家では最低限何をしなければならないのですか?
サピックスが何よりも大切にしているのは授業です。「授業で学習したことを家庭で反復すること」が、相乗的な効果を上げ、着実な学力アップへとつながります。ご家庭では、講師からの指示に従い、授業で学習したことの確認を授業中にとったノートや配布された教材を使ってしっかりと行ってください。
週1〜3日の授業でじっくりと学力を養成
スポーツや家族との時間なども大切な学びの場。だから、塾一辺倒になることはありません。
1・2・3年生は週1日、4年生は週2日、5年生から6年生の前期までは週3日の授業と、生徒たちのスケジュールには十分な余裕を持たせています。それは、さまざまな体験が子どもたちの個性を育て、本当の学力になると信じているからです。学校もスポーツも遊びもおけいこごともみんな大切にしてほしい、そして、休日は家族の時間も大切にしてほしいのです。サピックスは、子どもたちの成長過程と個性に合わせてじっくりと学力を養成し、受験へと着実に導きます。
- 関西圏校舎の4〜6年生は、選択授業の有無などにより授業日数が異なることがあります。
Q. 最難関校をめざす人のための塾ですか、そうでなければ入室はできませんか?
そのようなことはありません。現在お通いの方はさまざまな学校をめざして学習に取り組んでいらっしゃいます。サピックスでは子どもたち一人ひとりの志望校合格に向けてきめ細かな指導を行っています。入室テストに合格すれば、どなたでもご入室いただけます。
Q. 志望校別のコースに、希望する学校がない場合はどうすればよいのですか?
ご希望される学校の出題傾向を分析し、類似した出題傾向の学校のコースをご提案します。十分なフォローアップをしますので、心配はいりません。
Q. 子どもは内気な性格ですが、サピックスの授業についていけるでしょうか?
サピックスでは、疑問に感じたことや考えたことを話し合いながら進めていく討論式の授業を行っています。しかし、仲間の意見や先生の話をじっくり聞くことで、そこから刺激を受け、考えていくのも大切なことです。決して発言することだけが大切なわけではありません。お子さまが内気な性格だとしてもご安心ください。
Q. 教材はいつ配布されるのですか?
毎回の授業当日にお渡しします。授業で初めて教材を手にすることで「どんなことを学ぶのかな」というお子さまの知的好奇心をかき立て、意欲を持って授業に参加していただくのがねらいです。
Q. 授業についていけるか不安です。
サピックスではきめ細かい「学力別クラス編成」を採っています。入室テストの成績に応じてクラスを決定していますので、お子さまの学力に合った無理のないレベルから授業を開始できます。また、入室後も1~2か月に1回(学年により異なります)のテストで学力を測り、常に適正なクラスで授業が受けられるように配慮しています。