考える力・表現する力

教育の基本は、『思考力』と『記述力』。

知識の量を増やすだけの勉強法では、もはや合格を勝ち取ることはできません。

現在の中学入試では、『思考力』『記述力』を問う出題が主流です。繰り返し試行錯誤する中から規則性を見つけたり、図や表から類推させたり、仮説から結果を導いたりする問題。あるいは複数の分野の関連性を扱ったり、縦割りで学習されがちな分野を横のつながりで考えさせたりするものもあります。さらには登場人物の気持ちになることが必要だったり、日常的な問題についての考えを問われたりといったように、単に知識の量を問う問題ではありません。これは学校側が、その子どもが今までどんな生活を送ってきたのかや、将来どれだけ伸びていく素質があるのかということを見たいと考えているからなのです。

したがって、詰め込まれた知識を答案用紙にただ書き出すだけの単純な作業では、とても合格を勝ち取ることはできません。とりわけ、難関中学の出題では、選択肢の問題や単純な計算問題、知識だけを問うような問題は少なく、内容の深い長文を読ませ、あるいは実験観察を取り上げ、答えだけではなく解法の過程や考え方を評価する問題が多くなっているのです。そこでは考える力、自分の言葉で表現する力がたいへん重要になってきます。

子どもたちに自ら考え、表現する喜びを味わってもらうために。

ところが、『自分の頭で考え、自分の言葉で表現する』ということは、決して簡単なことではありませんし、短期間に身につくというものでもありません。これまでに学んだ知識を系統立てて関連づけることができ、さらに適切な言葉で表現する能力が身についていなければなりません。何より実際の入試では、出題者の意図に適切に答えることが要求されます。

そこで、サピックスでは、授業、特別講習、教材、各種のテストを通して、『思考力』『記述力』をふだんからじっくりと養成することに主眼を置いています。授業は黒板を媒介にして、講師と生徒が討論をしながら、じっくり時間をかけて、いくつもの解法をさぐり出していくというスタイル(『黒板授業』『討論式授業』)ですから、初めて出合う問題に自分の「頭と鉛筆」だけで、試行錯誤しながら一生懸命知恵をしぼっていかなければなりません。そうして自然と考える力を身につけていくのです。考える力を引き出し、能動的に発言させることを大切にしているため、子どもたちに与える題材も思考力を活性化させるような内容のある、質の高いものばかりを選んでいます。また、常に自分の意見をはっきりと伝えることの大切さを教え、特に国語においては、「書くこと」を中心に授業を進め、国語が苦手な子どもでも「書くこと」に抵抗感を抱かせないようにしています。さらに1~5年生では、授業や講習と並行して行われる『サピックスてんさく教室』という記述添削指導によって、子どもたちは「記述表現力」を着実に身につけていくことができます。