サピックスの国語

わきあがる思いを、天に向かって歌うように、誰かに伝えたい。「国語は、自分と他者、そして世界をたたえる科目である」とサピックスは考えています。

良質な文章をもとに豊かな感性と表現力を養う“国語”

子どもたちは皆、わくわくする思いを胸に、世界に臨んでいます。その思いにこたえるべく、国語の授業では、思わず引き込まれるような興味深い作品を皆で読んでいきます。読みながら子どもたちはさまざまな思いを胸に抱きます。その思いを講師が引き出します。意見がぶつかり合い、教室がにぎわうほど、作品への理解は深まり、そして思考力は力強く羽ばたいていくのです。他者の意見を取り込みながら自分の意見を練り上げる。さまざまな意見が飛び交う教室だからこそ、思考力の育成そして精神的成長の可能性が無限に開かれています。子どもたちは、他者の存在が自分を成長させてくれる、そんな思いを共有しながら、授業を通して自分と他者を尊重する姿勢を自然と身につけ、いろどりあふれるこの世界に優しいまなざしを向けるようになるでしょう。

1年生の国語 (指導方針・使用教材)

物語を通じて、たくさん「読み」「書く」ことで文章に親しむ。

使用教材 デイリーサピックス

1年生では、物語を通じてたくさんの感動体験を積んでもらいたいと考えています。身近なできごとを題材にしたものや話の展開を頭に描きやすい内容の作品を取り上げ、文章に親しむことから始めます。1年生にしてはやや長めの文章も扱いますが、場面ごとの展開を一つひとつ押さえ、物語の内容をきちんとつかみ、また黒板に絵を描いたり、実物を見せたりしながら子どもたちの想像力をふくらませる授業を進めていきます。また、「サピックスてんさく教室」では、自分の言葉で表現する力を育てます。低学年のうちから「たくさん読み」「たくさん書く」ことによって、国語の基礎を身につけていきます。

2年生の国語 (指導方針・使用教材)

感動できる物語を中心に、物語の展開と状況理解の力を育む。

使用教材 デイリーサピックス、基礎力トレーニング

2年生では身近で親しみやすいストーリーで、子どもたちが感動できる物語文を主に取り扱います。授業中にじっくりと文章を読ませることによって、話の展開と状況をしっかりと理解できる力を身につけさせることに主眼を置いています。授業では、物語の世界に深く入り込めるよう、講師が話題を広げ、黒板に絵を描いたりして、生徒の興味を引くように努めています。また、「サピックスてんさく教室」を通じて、一人ひとりの記述力や感性を育んでいきます。

3年生の国語 (指導方針・使用教材)

文章の流れと場面ごとの理解、表現のための記述方法を学ぶ。

使用教材 デイリーサピックス、チャレンジサピックス

3年生では、子どもたちが親しみやすい物語文を中心として学習していきます。幻想的な物語も出てきますので、文章の流れを整理して、読み進めることが必要になってきます。全体の流れをつかんだうえで、場面ごとに内容を確認し、登場人物の気持ちをていねいに読み取っていきます。そして、読み取った内容をきちんと表現できるようにするための記述指導もあわせて進めていきます。授業中に講師が添削してその場で書き直すことができるのも、少人数での授業ならではといえるでしょう。「サピックスてんさく教室」では、いろいろなことを自由に発想してさまざまな文を楽しみながら書いてみる「お話づくり」などを通して、思考力と豊かな表現力を育成します。また、「チャレンジ」の授業では、漢字や言葉のきまりなど、基本的な知識がしっかりと身につくように指導していきます。

4年生の国語 (指導方針・使用教材)

世界を知るためのさまざまな言葉を、実感とともに身につけ、読解力と記述力の基礎を育む。

使用教材 デイリーサピックス、言葉ナビ(知識学習用教材)

4年生では三つの世界に足を踏み入れます。一つ目は、未知の言葉と出会う世界。二つ目は、主体的に読む姿勢を発見する世界、三つ目は、長文を読解し、自分なりの答案を記述する世界です。三つの世界は互いにつながっています。一つ目の世界は、新たな言葉と出会う世界です。そこでは、四季折々の興味深いテーマの短文を読んでいきます。短文の中には入試頻出の重要語句をちりばめており、その言葉の魅力が最も発揮される文脈の中で、重要語句の使い方を、実感とともに身につけていきます。二つ目の世界は、文章を主体的に読んでいく姿勢を育む世界です。そこでは読み方のモデルにふれることになります。正しく効率的な読み方だけでなく、陥りやすい失敗例を提示しているのが特徴です。失敗例を参考にして、自分なりの読み方を模索していきます。三つ目の世界は、長文を読み、登場人物の心情、物語のテーマ、筆者の主張などについて考え、自分なりの解答を書いていく世界です。複雑な長文に挑むため、問題も難しくなり、一回で正解にならないことも多くなってきます。講師は子どもたち一人ひとりの答案を見ていきます。そしてヒントを投げかけたり、適切な表現を補充したりしながら、子どもたちが自分自身の力でより良い答案を作る手助けをしていきます。

5年生の国語 (指導方針・使用教材)

知の世界を広げる言葉の習得を土台として、さまざまな文章を通じて世界を深く知る。

使用教材 デイリーサピックス、言葉ナビ(知識学習用教材)

5年生では、4年生のときに学んだ内容を発展させ、入学試験で求められる力を身につけていきます。A授業では、主に三つの内容を学習します。まず、入試頻出の重要語句、物語などの時代背景に関わる一般常識、入試頻出の話題に登場する概念などをちりばめた短文を読み、知の世界を広げる言葉を身につけます。次に、入試頻出の知識問題を授業と副教材「言葉ナビ」を活用しながら効率よく学習していきます。最後に、文章を主体的に読むための具体的な取り組みを徹底させていきます。また、5年生後期からは、入学試験をふまえ、読解問題に対応する際の具体的な手順を学習します。B授業では、4年生のときに比べより複雑で高度な内容の長文に取り組んでもらいます。文章全体を俯瞰する目を養うために、文章の全体をチャート化した見開きのページを用意しています。A授業で実践した、文章を主体的に読むための取り組みを活用し、さまざまな文章を読みこなしていきます。問題では、本文全体をふまえたものや、テーマを深く追求するものなど、高度なものに取り組んでいきます。講師は授業中に子どもたち一人ひとりの答案を見ながら、時には個人に、時には全体に向けてアドバイスをしていきます。そうしたアドバイスに深く耳を傾けながら、より良い答案を目指して、何度も書くことに挑戦する粘り強さも養っていきます。

6年生の国語 (指導方針・使用教材)

読み方・解き方の基礎を習得し、状況に応じて使いこなす主体性を築き上げる。

使用教材 デイリーサピックス、ウィークリーサピックス、サンデーサピックス、言葉ナビ(知識学習用教材)

6年生では入試問題に対応するための力を身につけます。6年生の授業はA授業とB授業と志望校別特訓の三つが柱になります。A授業では、入試頻出の知識問題を反復練習で理解習得するとともに、読解問題を解く際の基本的な手順を学習していきます。さらに読解問題に関わる背景的常識や頻出語句を理解し、読解問題への対応力の土台を固めます。A授業の読解問題では記号選択や抜き出し、穴うめなどの客観問題を中心に学習し、典型的な記述問題についても、どのような構成でまとめるべきかなどを学習します。B授業では、A授業で学んだ読み方や解き方の基礎を自分なりに使いこなしながら、長文読解に挑みます。難易度の高い長文を読みこなしながら、細部から全体にわたるさまざまな問題にあたっていきます。B授業では記述問題を中心にトレーニングをし、講師は子どもたち一人ひとりの答案を見ながら適切なアドバイスを返していきます。志望校別特訓では、入試問題演習のあとに解説された内容を理解して得点力を高めていきます。問題と問題のつながりを考えるなど実戦的な取り組み方をここで学習していきます。