サピックスの算数

考える楽しさから論理的思考力へ。「一番大切なことは概念の理解である」とサピックスは考えています。

公式の鵜呑みではない自分の頭でわかる“算数”

算数は、解答に至るまでの過程が何よりも大切にされる教科です。1・2年生では「算数嫌い」の子どもをつくらないように、数の不思議やおもしろさを見せてあげることから算数への興味を引き出します。3・4年生ではじっくりと試行錯誤させながら思考力・直観力を身につけさせ、5・6年生では、論理的に考える問題処理能力や受験で要求される実戦力を身につけられるよう指導していきます。このようにサピックスの算数の授業では、学年に応じた学習過程を大切にし、一人でも多くの「算数好き」の子どもたちを育てていきます。

1年生の算数 (指導方針・使用教材)

数の持つおもしろさや不思議さを知り、算数への興味を引き出す。

使用教材 デイリーサピックス、基礎力トレーニング

算数の世界に足を踏み入れたばかりの1年生では、まず、算数に興味を持ってもらうことを第一に考え、「算数は楽しい」「算数が好き」と思えるような指導をしていきます。数の持つおもしろさや不思議さを味わうため、サイコロを転がしてみたり、数字の書かれているカードを黒板に貼って並べたりしながら、楽しく取り組める授業を展開します。また、数や図形に慣れてもらうため、ゲームやパズルの感覚で取り組める問題もたくさん扱います。「数のしくみ」「図形」など算数のいろいろな分野の問題にふれながら、自分の力で問題を解いていくことの楽しさや喜びを感じさせていきます。算数の基本となるたし算・ひき算は、「基礎力トレーニング」という家庭学習用教材を使い、毎日少しずつ練習しながら身につけていきます。

2年生の算数 (指導方針・使用教材)

数や図形に対する感覚を養い、潜在能力を刺激する。

使用教材 デイリーサピックス、基礎力トレーニング

2年生では、まずは試行錯誤して自分なりに問題を解いていくことが大切です。「数のしくみ」「図形の組み合わせ」「さまざまな単位」など、数や図形に対する感覚を養い、何よりも算数の世界のおもしろさにふれてほしいと考えています。講師はイラストや図を描きながら、子どもたちの関心を引きつけて授業を展開していきます。デイリーサピックスには、楽しいキャラクターが登場したり、間違い探しのようなクイズやパズル形式の問題があったりします。子どもたちは、「勉強」というよりは「ゲーム」をしているかのように授業に夢中になっていきます。子どもたちの中にある潜在的な能力を引き出して、答えに向かって進めるように誘導してあげるのが講師の役割です。決して一つの解き方を押しつけるのではなく、いろいろな考え方があることを気づかせ、発表させ、楽しませながら授業を進めます。また、計算力は「基礎力トレーニング」という家庭学習用教材でしっかりとフォローできるように工夫されています。

3年生の算数 (指導方針・使用教材)

試行錯誤を繰り返すことで、基礎力を身につける。

使用教材 デイリーサピックス、チャレンジサピックス、基礎力トレーニング

3年生では、知識を詰め込むだけではなく、子どもたちの興味を引くような身近なできごとを題材に求めて、算数の楽しさやおもしろさを感じてもらいます。それを通して算数の基礎力を身につけることが目標です。「規則性」や「場合の数」では、丹念に書き出して自分なりに調べ、粘り強く考える姿勢を育てます。「図形問題」では、実際に紙で作ってみたり、描いてみたりと、試行錯誤の繰り返しです。また、「もしかして、こうなっているかもしれない」という「ひらめき」も実は大切なことです。「ひらめき」は柔軟な頭を作る大事な栄養素です。思いきった推理や直感で問題が解けたら、算数のおもしろさはもっと広がっていくはずです。計算力は、「チャレンジサピックス」という授業用教材と「基礎力トレーニング」という家庭学習用教材で身につくようになっています。

4年生の算数 (指導方針・使用教材)

算数的発想を身につけるとともに、基礎学力の定着をはかる。

使用教材 デイリーサピックス、基礎力トレーニング、基礎力定着テスト

4年生は、中学受験に向けての基礎学力を定着させる時期です。算数では、計算力を確実に身につけることが何よりも大切です。したがって、分数や小数のかけ算・わり算を含む計算に関するすべての分野は4年生までに学習します。次に、算数の発想を身につけていくことも大切です。「つるかめ算」「過不足算」「和差算」「やりとり算」といった和や差に注目して考える問題、「植木算」「方陣算」といった、きまりを見つけて考える問題など、いろいろな問題を解きながら、算数的な考え方を自分のものにしていくことが目標です。そしてもう一つ大切なのは、「思考力」を養うことです。毎回テキストには、2題ほどの「頭脳トレーニング」が含まれています。難しい問題を自分なりに考えることで「ひらめく力」「直感力」を養っていきます。

5年生の算数 (指導方針・使用教材)

算数を論理的に考え、入試問題の頻出分野の学習を進める。

使用教材 デイリーサピックス、デイリーサポート、基礎力トレーニング、基礎力定着テスト

5年生のカリキュラムまでで受験に必要な算数のほぼ全分野の基礎となる部分を習得することになります。4年生までに基本的な算数の発想を身につけてきましたし、ときには「ひらめき」で問題を解決したりするおもしろさも経験しました。しかし、5年生からは、論理的に考えることがより一層重視されるようになってきます。それまでは、リンゴやお金というような具体的なものを考えてきましたが、これからは、「記号」を用いて、抽象的に思考する作業が要求されてくるのです。「割合」「比」「速さ」「平面図(相似)」など、入試問題で頻出の分野を学習します。問題演習が中心になる6年生でつまずかないように、しっかりと理解できるように授業を進めていきます。

6年生の算数 (指導方針・使用教材)

全分野を繰り返し学習し、実際の入試に近い形で問題に取り組む。

使用教材 デイリーサピックス、デイリーサポート、ウィークリーサピックス、サンデーサピックス、基礎力トレーニング、基礎力定着テスト

6年生になると、プリント教材での授業が多くなります。それは、実際の入試の形式に近い形で問題に取り組んだほうが、実戦力が身につくからです。平常授業では、できるだけ幅広い範囲を学習しますが、土曜志望校別特訓では、入試の傾向に合わせた問題演習と解説が中心になります。実際の入試問題やオリジナルの予想問題など、いろいろな分野の問題を多くこなすことで受験に必要な解法を習得し、使いこなすための学習を徹底的に積み重ねていきます。受験に必須の能力である問題処理能力と正確さを毎回の授業の中で養成します。授業のカリキュラムは、復習主義の指導方針によってすべての学年でらせん状の構成になっています。6年生の1年間の中でも、各分野を繰り返し何度も学習しますので、不得意分野はそのたびにしっかりと勉強して、少しずつ克服できるように工夫してあります。